破壊と再生
第2章 第1章 春一番
良く見ると、教室にはバックパックや、ショルダーバッグが散乱していた。そのなかの空いた席に荷物を置き、エレベーターで一階へ降りる。
「お前、昨日ミナト達と酒飲んでたんだろ?なんでお前だけ遅刻してんだよ。家遠いのか?」
「いや、三人の中では一番近い。だからうちで朝方まで飲んでたんだが…ううむ。あんまり記憶はない。起きたら二人はいなくて、『先に行ってっかんな。起きたらメールよこせ。』ってミナトからメール来てた。置いてかれたんだな俺。ガハハ」
「…あはは。…そういうことか。」
呆れたコウガの後ろから190㎝の大男が歩く。
先程の見にくい校舎案内図を参考に、図書館の位置を見つけ、向かう途中、丁度、御一行と対面した。
「G!こっち…ってかコウガじゃん!久しぶり!同じクラスなのか?」
ミナトがハイテンションで絡んでくる。入学式の日に会ったまんまのミナトに、コウガは少しほっとした。
「君はこの資料を読んでなかったのか?僕たちのクラスの欄にコウガも入っていたじゃないか。」
そしてこちらも相変わらず冷静なシュウ。
「え?知ってたなら教えてよシュウ!」
「おい!そこの四人!話してないで早く来なさい!」
先導しているスーツの若者に注意され、四人は列に戻った。
ミナトが小声で罵る。
「アイツ一個上のくせに調子に乗りやがって。あとでアイツに鼻くそ飛ばしてやろうぜ。」
ミナトはこっちに引っ越してきてから初めて笑った。
7