破壊と再生
破壊と再生

発行者:Ringo
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:SF

公開開始日:2012/03/07
最終更新日:2012/04/13 00:49

マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
破壊と再生 第1章 序章:入学式

「話せよ。消されるというのは単に学校を辞めさせられるということなのか?それとも存在自体が消えてしまうということなのか?」

メロンソーダを啜りながらミナトが話した。
「いや、どちらでもない。こないだ真相を確かめにキャンパスに行ってきた。誰に聞いても先輩の名前は知らず、同じ学科の連中も、どの講義でも、一度も見たことがないと言っていた。何の情報もない。どうしたものかと思った矢先、会ったんだ。喫煙所で。まさかと思ったよ。消えたはずの先輩がタバコをふかしていたんだ。」
「何だって?それじゃ消えてないじゃないか。」
惶牙もメロンソーダを飲みながら、怪訝な表情で彼を見た。
「俺も驚いたよ。でも、一番驚いたのはそのあとだ。声をかけたんだ。先輩に。『久しぶりです。』って。そしたら、先輩が俺に負けず劣らず驚いて、吸っていたタバコを落としたんだ。そして、何かに怯えながら、『…ミ、ミナト…。なんで…?いいか?この大学に入るな。やめておけ。さもなければ、大変なことになる。お前も…。』そう言って、逃げるようにサークル室棟へ去っていったんだ。」
「それで、お前はどうしたんだ?もちろん、そこに立ち尽くしてた訳じゃないよな?」
ミナトは首を横に振った。
「もちろん追いかけたさ。でも、見失った。サークル棟って廊下に日が入らなくて暗い上に、3階建ての建物の中に無数にサークル室がひしめき合ってる。階段は廊下を曲がったところにあって、そこで見失ったんだ。」
それまで黙っていたGが口を挟んだ。
「あそこはホコリ臭いし、噂だと、うちの大学が建てられる前は病院で、その隔離病棟をそのまま使ってるらしい。気味が悪いぜ。」
「お前はまた適当なことを言って。たかが噂だろう。」シュウが言った。
(不思議な話だ。俺が知らない何かがこの学校にはある。)惶牙が考え込んでいると、ミナトがそれを遮った。
「何考えてんだよ、コウガ。簡単な話だろ。これも何かの縁だ。俺ら四人でその謎を解き明かそうぜ。」
「あぁ。」

惶牙の知的好奇心と、ミナトの軽い雰囲気がこの、二つ返事をさせた。

「二つ返事」?いやいや、この「あぁ。」が、コウガの、いや、世界の命運を大きく動かす一つの返事になるのであった。

「そのために俺は、この大学に入ったんだ。」
ミナトの言葉が、コウガの頭の中で、何度も、何度も響いた。
3
最初 前へ 1234567 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ