破壊と再生
破壊と再生

発行者:Ringo
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ジャンル:SF

公開開始日:2012/03/07
最終更新日:2012/04/13 00:49

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破壊と再生 第2章 第1章 春一番
ふと、甘くて切ない香りがコウガの鼻までたどり着いた。

(何処からだろう。)

コウガが、香りを追って振り返ると、冷たいものが頬にあたり、ベンチから落ちそうになった。
「な…!」
「あはは。君びっくりし過ぎだよ。」

女性が立っていた。
コウガは、(綺麗な目をした人だな。)と思った。
「はい、これあげる。」
「ど、どうも。」
ペットボトルのお茶をもらった。
「あ、全部飲んじゃダメだからね。私も飲むんだから。」
女性はコウガの隣に座った。
コウガは緊張し、頭がぽーっとしてきた。

「あ、あのー。貴女は?」
お茶を一口飲み、返しながらコウガが尋ねた。
「あ、ごめん。私はこの大学の英文学科二年、平山空。よろしく、少年」

長い栗色の髪が風で揺れるたびに、先程の甘い香りがコウガを包んだ。その甘い香りと春の匂いが絶妙なコンビネーションを生み、コウガをよりぽーっとさせた。

「え、英文の空さん…。よろしくお願いします。」
「フフ…大丈夫、少年?」
「あぁ。大丈夫っす。」
クスクス笑う彼女と、ポカポカした春風の中にいると、コウガは心が癒されていく感覚を、切ないくらいリアルに感じた。

「少年の名前は?」
「僕は、上沢惶牙です。」
「コウガ…。かっこいい名前だね。」
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