人形の見る夢
人形の見る夢
成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:その他

公開開始日:2012/03/05
最終更新日:2015/07/17 11:20

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人形の見る夢 第4章 うさぎ
「店主、何故この人形は目を閉じてるんだ?」


アルビノのガラスケースの前で足を止めたのは、堂々とした体格のいい男性だった。店の中で唯一目を閉じているアルビノのが気になったのか、マスターに声をかけてきた。



「この人形は赤い目をしてるんですよ。それを怖いと言った子がいましてね。

以来、こうやって、目を瞑っているんです」

ね、とマスターは腕に抱いた私に笑いかける。

先日アルビノの彼にも謝ったけど、悪気はなかった。もともと、男の子は嫌いだし、赤い目のインパクトが強すぎて、思わず口から出てしまった。

小さな子を虐めよと思った訳じゃないのに、マスターを睨み返してみるけど、やんわりと笑ってかわされてしまう。



「不思議だな。
俺たちの声がガラスケースの中の人形に届いていると?」


「聞こえていますよ。
ただ、人形達はガラスケースの中に居る限り、限りなく活動を停止しています。ガラスケースの中の人形から、積極的にこちらに働きかけてくることはない」


「難しいな」


「胎児を想像してください。
彼らは自分で呼吸をすることも食事をする事もない。母から与えられるそれを受け取るだけです。
ガラスケースの中にいる間、人形達は母の胎内にいるのと同じです。
朧気に外の様子を感じてはいるけれど、外に働きかける手段はない」


そう、ガラスケースの中の人形は本来は外に干渉する術がない。

だけど私は彼等の声が鮮明に聞こえてしまう…。
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