人形の見る夢
人形の見る夢
成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:その他

公開開始日:2012/03/05
最終更新日:2015/07/17 11:20

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人形の見る夢 第4章 うさぎ
「‥こんばんは」


夜、ガラスケースの前を歩いていると、アルビノのあの子が静かに話しかけてきた。


「こんばんは。
なんで、目を閉じてるの」


マスターの言うとおり、あの強烈な印象を与える瞳を閉じていると、この子は真っ白でそれはそれは可愛いかった。天使に見えないこともない。


「君が、僕の目怖いって言うから」


「‥ごめんなさい」


ガラスケースの中の彼等には外の声は聞こえている。取り分け私の声はガラスを超えて、彼等に届くようだった。


「好きでこんな色になったんじゃないのに。僕は誰かに好かれるかな。
それとも、物珍しがられるだけでガラスケースの中で賞味期限が切れるのかな」



「あなたは、綺麗だわ」



人形の見る夢は、皆同じ。
この狭いガラスケースから出て、自分だけのマスターに巡り会えるのを夢見ている。



「いいよ、お世辞言わなくて」


「‥子供の癖にひねくれているわね」


男の子の人形は嫌いだ。
だけど、ショコラやこの子のように可愛い子どもの人形は好き。

ぷいと顔を逸らしたアルビノに思わず笑ってしまうけど、彼にはそれも不満だったらしい。



「君だって子供だろ」


「ハイハイ、そうね」


ショコラがそうだったように、この子もまだまだ子供だ。早く売られていくよりは、マスターが言うように、このまま店で大きくなるのもいいのかもしれない。



なんて思っていると、あっさり買い手が見つかるのが最近の店事情だ。
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