春夏秋冬
春夏秋冬
成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:春夏秋冬

公開開始日:2012/02/27
最終更新日:2013/07/21 00:33

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春夏秋冬 第9章 柊 (続)
「‥‥俺の兄貴、連れていった癖に」

素直に誉めたつもりだったけど、風は顔を歪めた。



「そうね…。私は詳しいことは聞いていないし、光さんも話さないけど、お館様は、無理やり連れてきたと言っていたわね」


「無理やり、連れて行かれたわけじゃないよ、本当は‥。村は、あの人の力がなかったら、餓えてただろうし。
だけど、なんで兄貴なんだよ」



「あのね、綾香ね、光お兄ちゃん好きっ」


思い詰めたような風の話の腰を、脳天気な綾香の声が折る。
ずっこけた風の顔が引きつった。


「俺だって兄貴が好きだよっっ」


「ホモ?」


「ちげえっ、なんつう言葉を使うんだ」

「ごめんなさいね、女の子は言葉を覚えるのが早いから」


風は初めて見た時、かなりキツい顔の子だと思ったけど、こうって小さな子達に囲まれてると、随分優しい顔になる。

言葉使いは乱暴でも、綾香は全然怖がらない。



「風兄、ホモってなに?」


「知らんでいい」

双子達は答えてくれない兄に代わって、綾香を振り向く。



「綾香ちゃん、ホモってなに?」


「あのね、ホモってね、
男の子が好きな男のことだよ」


「説明すんなっ」


「じゃあ、あの男の人、ホモ?
だって、兄ちゃんのこと好きって言った」


「兄ちゃん、ホモなの?」


「兄貴は違うっっ、
彼女いたときだってあんだから、女が好きに決まってんだろ」


‥光はお屋敷に来たとき15歳だ。
年の割に小柄で幼い印象ばかり強いけど、あり得ない事じゃない。

光はあの通り、お館様が一目惚れするような綺麗な顔をしているし、綾香や弟達の扱いからしても、面倒見が良くて優しそうだ。

モテるわね、きっと。
彼女の話はお館様が聞いたら、それはショックを受けそうだわ‥。



光達のテーブルを見れば、遠目からも空気が重いことがわかった。
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