春夏秋冬
春夏秋冬
成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:春夏秋冬

公開開始日:2012/02/27
最終更新日:2013/07/21 00:33

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春夏秋冬 第9章 柊 (続)

お館様の申し出で、場所は村に入る直前に寄った、落ち着いた印象の喫茶店に移った。


喫茶店のおかみさんに預かってもっていた綾香は大人しく絵本を見ていて、ほっとした。


光の三人の弟と私と綾香で一つのテーブルに掛けた。お館様と潔様、光とその母は店の奥のテーブルに座った。


やはり、挨拶だけして、旅行に行くなんて、そう上手く行きそうにはない。 だけど、綾香は遠出自体が楽しいようで、今も三人の男の子に囲まれて笑っている。


「綾香ね、ママと旅行に来たの。
お兄ちゃん達だれ?」


「むしろ、お前が誰だよ」


答える風の言葉はつっけんどんだけど、綾香を見る目は、柔らかかった。
下の双子ちゃん達も、綾香を興味深そうに窺っている。


「綾香だよっ、」


「こっちが秋と春、俺が風。
お姉さんは、誰ですか?」



「向こうのお屋敷で、光さん専属のお手伝いさんをしてるの。綾香は私の娘」


「お手伝いさん?」


「そう、と言っても、光さんは身の回りのことは殆ど自分でやるから、あんまり仕事はないわ」


「兄貴は、向こうで元気にしてた‥?」


「元気じゃないときもあったわ。
あまり食事もしないで、一日中部屋から出ない事もあったし。風邪をこじらせて、入院したこともあった。
きっと、寂しかったんでしょうね」


子ども達の前に、メニュー表を広げて渡した。

「好きなの頼みなさいな。支払いは、あそこのお兄さんが纏めてしてくれるから」


「‥奢ってもらう義理ない」


「あなたに無くても、あっちのお兄さんには、あるわ。
あの人は、本当に光を大事にしてる」


「ママ、綾香ね
すーぱーチョコレートまっちゃさんでー食べる」


「‥‥」

綾香が指さしているのは、デザートメニューの中で一番高くて量がありそうなパフェだった。

この子、さっきもお団子食べてたのに‥。


「アナタ達も、同じのでいい?」


聞けば、双子ちゃん達は食べたいのだろう、窺うように風の顔を覗き込んだ。
風はしょうがないな、とため息を吐いて、2人の頭を撫でた。



「2つ、お願いします」


「アナタのは?」


「どうせ、一つづつは食べきれないから」


「いいお兄ちゃんね」
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