春夏秋冬
春夏秋冬
成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:春夏秋冬

公開開始日:2012/02/27
最終更新日:2013/07/21 00:33

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春夏秋冬 第8章 柊
潔version


最近の俺には悩み事が山済みだった。

一つには、皓様の秘書について。
皓様には絶対に俺以外に、優秀な部下が必要だ。

今までにも、その必要性は度々感じていたが、秋にあった台風の時に、それを痛感した。

慢性的に絶対的な人手不足。

俺も皓様も日々、カツカツに仕事をし過ぎてる。 ちょっとした不測の事態に対応仕切れないほどだ。

だが、当の皓様が他に人を入れたがらない。



もう一つは、光のことだ。
あの子自身は、素直ないい子だ。

危うい精神も、最近はだいぶ落ち着いている。

しかし、光の存在が、こんなにも皓様の中で大きくなってしまった以上、俺としてもほってはおけない。 皓様は、今や光を伴侶のごとく大切にしている。

だからと言って、光が男児である以上それは叶わないのだ。

そうなると、将来の光の身の振り方次第では、大きなもめ事になりかねない‥。

皓様は光に勉強でも稽古事でも、何でもいいから、本人が嫌がらない程度にやらせてみてくれと言う。

長く、この大貴族である月白家に置くなら、礼儀作法やある程度の教養はあった方が光のためだ。

まるで花嫁修業といったところか。

「どうしたものかな‥」


「どうしたんです?」


「おっと、光こそどうしたの?」


考え事をしながら廊下を歩いていると、つい考えている言葉が口を出た。それを、反対側からきた光が聞いていたようだ。


「俺は厨房で、舘さんときんぴらを作っていました」


舘は、うちの屋敷の料理人だ。
光は最近よく、彼から料理を教わっては皓様の為に夜食を作っていた。

皓はもともと食が細い上に、夜は軽く晩酌をするだけで、ちゃんと食事をしたがらない。

体を壊すから、ちゃんと食べろと言っても聞かなかったが、光が傍に座っていれば、ちゃんと食事するようになった。

光の料理のレパートリーも、皓が好む比較的軽めの和食中心になっているようだ。


本当に、皓の嫁に貰えたらいいのに。


「美味しそう。俺の分もある?」

「鍋一杯作りましたので、俺が作ったものでよければ」

「そっか、なら昼にみんなで食べようか」


「はい」


皓様じゃなくたって、この子の笑った顔は可愛い。

幸せになれる未来を願いたくなる。
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