春夏秋冬
春夏秋冬
成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:春夏秋冬

公開開始日:2012/02/27
最終更新日:2013/07/21 00:33

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春夏秋冬 第7章 金木犀
「二人とは仲良くなれた?」


「はい。まるで兄ができたようです。
橘さんは優しいし、椿さんは面白い」


光は寝る気がないのか、ベッドに腰かけたまま微笑んだ。

その表情は無邪気で心なしか幼い。

それが何より、光があの二人に対して心を開いた証しに見えた。村で幼い弟たちの兄として振る舞っていたときよりも、ずっと子供らしい顔だ。

俺は村にいたときの光を見ている…。



「光は…」


俺とあの双子、どっちが好き?
そう言いそうになって言葉を飲んだ。

光には父親がいない。

自分は光の父親や兄のような頼れる存在になりたかった。けれど、その役目は急に現れた双子に待っていたかれてしまった。



「皓さま?」


「何でもない。おいで、休もう」


寝る気のない光の腰を抱き寄せて、布団の中にいれた。


「皓さま?」


もう休もうと思ったが光は俺の手から抜け出して、顔を覗き込む。


「うん?」


「調子が悪いですか?」


「…悪い。光と離れてたから」


体調ではなくて、機嫌がだ。
やっぱり家庭教師なんて止めておけばよかった。
仕事ではこんなに悩むことはないのに…。


「ど、どうして?」


光は困ったように俺の顔を覗き込み、熱を測るように額に手を当てた。


「…抱いてもいい?」


光の体温が欲しい…。


「こ、皓さまっ?」

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