春夏秋冬
春夏秋冬
成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:春夏秋冬

公開開始日:2012/02/27
最終更新日:2013/07/21 00:33

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春夏秋冬 第6章 台風

「どうした?
やっぱり、どこか痛い?」


「ち、違う」


「…ごめんね。沢山無理させてしまった」


「……っ、」


頬に零れた涙を皓様の白い指が拭う。

嫌だったんじゃない。
自分も皓さまに触りたくて触って欲しかった。

でも、凄く恥ずかしくて、感じすぎてしまって、居たたまれなかた。


「ごめん、俺が強引すぎた…。
泣かないで」


「んっ、…」


皓様が労るように背中を撫でる。
その手が温かくて優しくて余計に涙が出た。
ようやく傍に帰ってきてくれた体温が恋しかった。

こんなにも皓様の不在が辛いくなるなんて思わなかった。一度は憎んだ相手だったのに。俺を家族から引き裂いて一人きりにした相手なのに。
愛しかった。


「ひかる、お願いだ。泣き止んで。
俺が調子に乗りすぎた。久しぶりに光の顔を見て我慢ができなかったんだ」



自分の未熟さや皓様との差ばかり感じる行為だった。自分ばかり気持ちよくて恥ずかしい声をあげるしかなくて、皓様は気持ちいいのかわからなかった。


「っ…、こうさまっ、」


「ん?、」


「抱っこして」


離さないで。朝が来ても置いていかないで…。


皓様が好きで、でも、どうしようもない距離があって不安でしょうがなかった。


皓様の腕が俺を強く抱き締めて自分の胸の上にのせた。首筋に頭を寄せると、手が包み込むように撫でてくれる。


嫌いなままなら良かった…。

この人も母さんのように、いつか俺を手放すだろうか。嫌いになるだろうか…。



「光、俺はなにか君を不安にさせるようなことをした…?
3週間も禄に連絡しないまま一人にして悪かった。帰ってきてもこうやって強引なことばかりする。光か怒ってもしょうがないと思う。
でも、そんな風に一人で泣いてほしくない。こんなに傍にいるんだから、思うことがあるなら教えて欲しい」



「…寂しかったっ、寂しいっ」


「ひかる…」


「かあさん、かぜっ…」


背中に回されていた皓様の腕がぎゅっと強まった。苦しいほど強く抱き締められる。


「傍にいるよ、俺がいるから…」


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