春夏秋冬
春夏秋冬
成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:春夏秋冬

公開開始日:2012/02/27
最終更新日:2013/07/21 00:33

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春夏秋冬 第6章 台風
頭が朦朧として、記憶が飛び飛びになっている…。

確かさっきまで皓さまに抱っこされて、湯船で体を流してもらっていたはずなのに、今は一人でベッドの中だ。


「…、さ…ま」


声が出ない。のどか痛い。
おかしな声を沢山あげたからだ…。


なのに、皓さまがいない。どうして…?

また、お仕事に行ってしまったの?
置いていかれてしまったんだろうか。


「こう、さま…、どこ?」


「ここだよ、どうした?」


いないと思っていた皓さまがドアからデカンタとガラスを持って入ってきた。


「こうさまっ、」


「どうしたの、泣きそうな顔をしてる。
ジュース、飲むだろう?」


「ん…」


置いていかれてなかった。
皓さまが傍にいたことにホッとして、ベッドに沈んだ。

「ひかる、寝ちゃダメだよ。
少し水分をとらないと脱水になる」


「う…」


眠りたかったのに皓様の腕が俺の上半身を抱き起こした。


「口をあけて。沢山汗をかいたから、きっと喉が乾いてるよ」

「ん、」


口に流れ込んできた濃厚な甘さと新鮮な酸味が、熱を持っていた喉を癒すように流れ落ちていった。美味しい…。

飲んでみると自分がすごく喉が乾いていたことを思い出す。


「もっと…」

「っ、…もっと飲む?」

皓さまは一瞬何か驚いた顔をしたけど、すぐにもう一杯グラスにジュースを注いで渡してくれた。


「…ふふ、ベッドでも、同じことを言ってくれたらいいのに」


「?」

「何でもないよ。飲んだら眠ろうか。随分夜更かししてしまった」


皓様は空になったグラスをサイドテーブルに乗せると、俺をベッドに寝かせて自分も隣に横になった。腕に抱き抱えられて、久しぶりの寝る体勢になった。

どうしたのか、涙が滲んでくる…。
何だか、今日は泣いてばかりだ。

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