春夏秋冬
春夏秋冬
成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:春夏秋冬

公開開始日:2012/02/27
最終更新日:2013/07/21 00:33

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春夏秋冬 第6章 台風
皓様のお屋敷がある万葉は、既に清々しく晴れ渡り、少し動くとたちまち汗が滲んだ。
蝉が朝から忙しなく鳴き続ける。

けれど、 皓様は帰ってこない。
被災地からそのまま王都に向かったのだ。
これで皓様は3週間、自らの屋敷を離れ領地の管理を潔様に預けることになる。


大型台風の直撃を受けた被災地の視察は一先ずは終了させたらしいが、
今後は復旧に向けて現地と密に連絡を取らなければならないと潔様は話していて、仕事が落ち着く気配はない。


潔様が説明してくれる話だけでも、農家の自分には背筋の凍るような惨事に思われた。

けれど、皓様は被災地の人達に必ず復興させると宣言したと言う。
当面の生活の保障と今期の税の免除、それに流された橋を私財ですぐに再建すると、
その場で約束したそうだ。


『この程度の被害、必ず直ぐに取り戻せる。人の命と心の傷以外は…』


そう、現地の人を励まし慰め、王都に向かわれたそうだ。







「王都入りの予定を早めたのは、政務官の仕事じゃなくて、一領主として減税をお願いしに行ったんだよ」


潔様はすっかりクマの定着した目を揉んだ。

彼は皓様が帰宅されず、話し相手が雪さんと限られた使用人さん達だけになっている俺を気遣ってくれているようで、こうして時々一緒に食事をしてくれる。

忙しいのに申し訳なかったけど、様子を見に来てくれるのも、皓様や仕事の話を聞かせてくれるのも嬉しかった。



「減税、ですか?」

領主様達は自分の納める土地から徴取した税金から一定額を王都に収める義務がある。


「そう。被災地に免税を約束したからね。その分、減税をお願いしないと。
皓はアホっぽいけど、仕事は現実家でとても有能だ。
けどその分、自分や俺には厳しいんだ」


「そう、ですね…」


確かに自分と潔様には異様に厳しい人かもしれない…。


「対応は迅速じゃなきゃ意味がないんだ。時間がかかるほど被害額は吊り上るからね。だから、国からの補助を待たずに私財でやるのはよく解る。
皓の仕事の速さと正確さには感嘆する。
だけど、俺、本当に胃が痛いよ。うちの領主様はいつ帰ってくるのかね…」

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