春夏秋冬
第5章 百合
だんだん、光の細い腰が悩ましげに揺れ始めた。
「っひかる、気持ちいいのか…?」
「あ、ッダメ、」
「…光が感じてくれて良かった」
綾かな声を上げて、ひくっと啜り泣くように鼻を鳴らす。ああ、もう絶頂が近いんだろう…。
「皓さまぁっ、」
「ひかるっ、もうイク?」
「イっちゃうっ、もっ、」
「待って、もう少しっ、
一緒にイこう…」
「ダメっ、も」
「‥いいよ。出してごらん」
光の甘い悲鳴とイク瞬間の淫らな表現を網膜に焼き付けながら、俺も追いかけるように、熱を吐き出した。
光はそのまま、落ちるように意識を手放した。疲れていたんだろう。
さっきの淫らな表情から一転して、幼い寝顔に、頬の筋肉が緩む。
可愛い。
浴室でタオルを絞って、光の身体を拭いた。上手くは出来ないが、しないよりはいいだろう。 クローゼットに入っていた予備のパジャマを何とか着せて、ソファーに運ぶ。
汚れたベッドのリネンは引きがして、丸めて入り口に投げた。内線でリネン交換を頼んで、ついでにミネラルウォーターと、ジュースも届けてもらう。
綺麗になったベッドに光を寝かせて、自分は水を飲みながら、シャワーを浴びた。
ベッドに戻ると、目が覚めてしまったのか、光がもぞっと身を起こす。
「ごめん、起こした?」
「こうさま…?」
寝ぼけてるな‥、と思いつつ、ジュースの入ったグラスを渡してやると素直にごくごくと飲み干した。
よっぽど喉が渇いていたのか、水も飲んで漸く人心地着いたらしく、またベッドに戻る。
「ひかる…、おやすみ」
「は、い……‥」
俺も、光の隣で泥のように熟睡した。
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