春夏秋冬
春夏秋冬
成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:春夏秋冬

公開開始日:2012/02/27
最終更新日:2013/07/21 00:33

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春夏秋冬 第5章 百合
「寄りかかっていいよ。
王都に着くまで何時間もかかるから、少し眠りな」


バックミラー越しに、光の肩を抱き寄せて自分に寄りかからせている皓様が見えた。


さっきから、甲斐甲斐しいのなんのって…。


季節は既に夏に差しかかろうとしていた。
早起きの太陽が、辺りを鮮やかに照らし出して、空調の効いた車内にも強い日差しが差し込んでいた。



皓様は、日差しが当たっていた光の顔に眩しくないようにタオルをかけてやる。
だけど光は鬱陶しかったようで身じろいでタオルを外してしまう。落ちたタオルを拾った皓様は困ったなと言うように苦笑して、彼の頭を撫でた。


…信じられないぐらい、優しくて穏やかな顔をしている。

光が可愛くてしょうがないと、顔中に書いてある。


光が傍にいるのが嬉しいのか、運転手のことも俺の存在も忘れて、にこにこと光の髪を梳いていた。



「皓様も眠らないと…、」


うとうとしていた光が目を瞬かせて皓様を見上げる。


本当だよ。
休めるときに休まないと体を壊す。


「俺は大丈夫だよ、眠たくなったら休むから」




だけど、そんな光の気遣いも俺の心配も、どこ吹く風でにこにこ笑うばかりで寝ようとする気がない。

屋敷にいるときは毎晩のように一緒に過ごしているのに、何故今更そんなに浮かれているのだろうか。

仲違いは解決したのかな…。


光は困ったような呆れたような顔をしつつ、黙って皓様に体を預けて目を閉じた。


花畑のような笑顔を浮かべている主を放って、俺も光に習って眠ることにした。















ふと、車が揺れた振動で目が覚めた。
見るともなしに、バックミラー越しに後部座席の二人を見れば、いつの間にか光の膝に頭を預けて皓様が眠っていた。

光も軽く目を閉じているが、その手は、そ、と皓様の肩をさすっていた。



…今はまだぎこちなくても、きっと2人は上手くいく。
光は皓様の大事な人になるのだろう。
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