春夏秋冬
春夏秋冬
成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:春夏秋冬

公開開始日:2012/02/27
最終更新日:2013/07/21 00:33

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春夏秋冬 第1章 春
しゅっ、と音がして帯が解かれ、着ていた襦袢の前が肌蹴られた。外気に触れた肌が粟立ち、羞恥と悔しさで手が震えた。

生暖かい手がゆっくりと首筋を撫で、胸に触れた。膨らみのない平らな男の胸の何が楽しいのか、皓の手は執拗に胸を這い、その手の動きに気を取られているうちに薄い唇が重ねられた。


「っ!!!」


とっさに、暴れようとした両手はきつく掴まれベッドに固定される。


「っや、」

「暴れるなっ」
 

重ねられた唇に驚いて顔を背けると、すぐに強い力で顎を掴まれた。
俺の顔を覗き込んだ皓は眉を寄せて溜め息をつく。



「…泣くな」


「…ぃやだ」


自分は生まれ育った村に売られ、親に見捨てられ皓に買われたのだ。

それは分かっている、だけどそれでも嫌だった。
どんなに自分に言い聞かせても、こんな真似をされるのは嫌だ。
誰かの好きにはされたくない。



だけど何故皓が辛そうな顔をするのだろう…?



「そう毎晩、お前の我が儘ばかり聞いていられるか。少しおとなしくしていろ」


「離して…」


「離さない。俺はまた明日から一週間仕事で屋敷を空ける。
今晩ぐらい少し言うことを聞け」


真上から覗き込む、真剣な顔をした男の顔が怖かった。皓が辛そうな顔をする意味もわからない。


「怖い…」



「怖くないって、昨日も言っただろう?いい子だから、泣くな」


「怖いっ」



「怖くないよ、しょうがないな…」



皓は呆れたように呟いて、俺の頬から手を離した。伸し掛かっていた体も、俺の上から離れて、隣に移動する。

皓はそのまま俺の体を抱き寄せて腕に抱えると、シースにくるんだ。


「寒くないか」


「寒い…」


寒いに決まっている。どんなに布団を掛けられたって全裸だ。
それに裸の体に回された腕の感触が気持ち悪い。



「本当に、お前は我が儘だな」


皓はふと笑った。
緊張していた空気がとたんに和らいだ。
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