春夏秋冬
春夏秋冬
成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:春夏秋冬

公開開始日:2012/02/27
最終更新日:2013/07/21 00:33

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春夏秋冬 第3章 夕立
 夕方、皓様がびしょ濡れで帰ってきた。
普段、お供の人を連れている彼が濡れて帰ってくることは珍しかったが、夕方に帰宅せれたことも珍しかった。

 「大丈夫ですか…」
 「ああ、突然降ってくるから傘を持ってなかった」
 
 自分の部屋で着替えてきたらしく、俺のところへ来たときは服は既に和服に着替えていたが、その見事な黒髪はまだ、滴を落としていた。

 「お一人だったんですか、他の方は?」
 「桐谷は使いに出してしまった。寄り道をするつもりで歩いて帰ろうとしたら、このざまだ」

  皓様が歩こうなんてするから雨が降ったんだ、とは思ったが言わないでおいた。

 タオルを差し出すと、拭いてくれとでもいうように押し返された。

躊躇いながらその髪に触れようとすると、彼はクッシュンに腰を下ろして、その膝の上に俺を抱き寄せた。

 「下ろしてください…」
 「嫌だよ。寒いから早く拭いて」

我が儘、とは思ったが、抱きついてくる皓様の体は本当に冷たかった。
まだ、夏というには寒いのに、夕方に土砂降りの雨に降られては体も冷えるだろう。
タオルで拭くより、湯に浸かったほうがいいんじゃないのか。


 「皓様、今湯を沸かしてきます。これじゃ風邪をひいてしまう」
 「…光も一緒に入る?」
 「入りません」

俺は濡れていないのに、なぜ夕方から風呂に入らなくてはいけないんだろうか。
そもそも、一緒に風呂って…。


けれど、皓様は自分の思い付きが気に入ったらしく、膝に抱えていた俺を立たせた。

 「ちょうどいい、今から風呂に入れば夕飯の時間だ」
 「待ってください、俺は、」
 「いいじゃないか、光の裸なんかいつも見てるよ」
 「つつうう~」


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