underground SEVEN.
第1章 Miwa / age 34
車に戻ると車内を沈黙が支配する。俺は唐突に、助手席に座る彼女の太股に手を這わせた。瞬間、彼女の身体が大きく震えて、俺の顔を凝視した。
「や、止めて、下さい……」
顔を伏せて唇を噛み耐えるが、身体は正直だ。太股を手が這う度に、どうしても身体が快感に震えてしまうのだ。
「そのワリには、感じているじゃない」
「そ、そんなこと、ありません……」
俺は彼女の言葉を無視して、ただ太股に手を這わせ続けた。ただ絶対に下腹部までは這わせない。じっくりとじらし続ける。
彼女はひたすら焦らすような愛撫を耐え続けた。それでも小さく漏れてしまう喘ぎは甘く熱を帯びている。
可愛いもんだ。こういう関係に慣れている女とでは味わえない感覚だ。慣れている女はそれはそれで話が早く積極的だから激しいのが愉しめる。だが彼女のように慣れていないと、まだ羞恥心を忘れていないから、それを煽りながらの行為はかなり美味しい。
目的地のラブホテルに入り駐車場に止めて、やっと愛撫を止めた。その瞬間、彼女の身体から一気に力が抜け、激しく息を吐いた。
「気持ちよかっただろ」
「……ぅん」
少しは素直になったらしい。だが車から降りようとすると、彼女が俺の手を掴んだ。そして車内に引っ張り込む。
「どうしたの」
「あ、脚に力が、入らなくて……」
どうやらたったあれだけの愛撫で相当感じてしまっていたらしい。もしかすると彼女、経験がかなり浅いんじゃないだろうか。
「肩を貸すよ」
俺は助手席側に回り、彼女の腰に手を回しながら身体を支え、ホテルに入る。腰に回した手をゆっくりと動かすと、それだけで彼女が感じているのが分かる。
俺は小さく笑いながら彼女をどう愛するのかを考えていた。
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