雪天使~お前に捧ぐカノン~
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発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

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雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第9章 act,8:輝かしきもの
 <雪の天使シャルギエル>――きっと、それをイメージした物だろう。雪降る中で見るこの彫刻は、さぞかし更なる美しさを発揮しそうだ。
「天使よ。そうでなくてどうして、あれだけ素敵な造形品を築く事が出来るってのさ」
 カノンは彫刻を指差しながら彼を振り返ると、フワリと微笑んだ。思わず高鳴るシャルギエルの鼓動。
 ベリーの入ったシャンパングラスを手にテラスに立ち、秋の庭と彫刻の泉をバックに微笑むカノンが今まで見た中で更に美しく映えていた。まるで一つの絵画のようだ。この一瞬を絵に残したい衝動に駆られそうになる。
 そんな彼の気持ちを他所に、ロードが横で喚いた。
「うわー! すっげぇ! 何あれ天使の像か!? 庭一つ取ってもかっこいいんだなー!!」
 すっかり我に返らされたシャルギエルは、少しロードの言動にしらけながら言った。
「……ははん……そうか。その像って、俺の名をモチーフにしてたのか。今頃気付いたぜ。普通にただの天使の像だと思ってた。成る程な」
 カノンに指摘されてこんな身近に自分の名の由来になった物があったとは、灯台下暗し(と言うよりカノンに教えられるまで、自分の名前の意味も分からなかったのだが)状態に改めて感心する。
 生まれた時からずっとそこに当たり前のようにあったので、今となってはもう余りその像をそれ程意識する事もなくなっていたが。
「ごめんよシャルギエル。初めの内は、何も知らないボンボン野郎だからこっちが守ってやんなきゃって思って、慌ててここまで駆けつけたけど……とんだ取り越し苦労だったね」
 カノンは杞憂からくる早とちりに反省する。
 確かに彼は彼でスラムの現実はまだ詳しくないが、それは無知なだけで馬鹿だからではない。カノンらがこういったセレブな世界に無知なのと同じだ。しかもスラム生活である自分は読み書きは唯一身に付けていても、ほぼ他の事柄には無学でしかない。
 しかし学校に通う彼は知識が豊富だ。自分の知らない技術や学識、体術や能力を隠し持っていると期待してやってもいいぐらいだ。寧ろ彼が今回自分のチルドレングループのリーダーになった事実に、希望や可能性を予測してもいいかも知れない。
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