雪天使~お前に捧ぐカノン~
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成人向アフィリエイトOK
発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

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雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第2章 act,1:カジノ
 少年は背後にある自分の漆黒の毛束を、右肩から手繰(たぐ)り寄せて指先で摘まみ擦りながら、ドアレバーに手を掛けた。
 こうして自分の髪を弄るのは悩んで瞬時の判断に迷う時の、彼の無意識的な癖らしい。
 シャルギエルは軽くタイミングを計る様に、ドアレバーに掛けた左手の五本の爪先で二回リズムを刻むと、レバーをひねってグッと力強く手前に引いた。
 ――と、薄暗い空間が眼前に広がる。
 表の派手な看板とは裏腹に、思いの他空気が重い気がする。
 いや、彼が知っている今までのカジノが余りにも華やかで豪華な内装すぎているのと比べ、町カジノのお粗末さがそう感じさせてしまうだけなのか。
 まるで世界が違うのは当然である。
 彼の住む世界はゴージャスで甘い香りが鼻先を擽るセレブの世界で、今正に眼前広がるこの世界は、そんな物を微塵も感じさせない正反対の世界だ。
 唯一の共通点は“カジノ”である事だけである。
 まるで味わった事のないダークな空気と言うべきプレッシャーが、少年の心を怯ませる。
 すると手前の丸テーブルでポーカーをしている四人の厳つい中年男達の内の一人が、シャルギエルを一瞥してボソリと漏らした。
「……何だ。ガキか」
 その言葉に思わず反応した。
 そうだ。自分は映画で見るこういったアンダーワールドの、アウトローに満ち溢れたハードボイルドな男に憧れていた筈だ。十五歳になった今、俺はもうガキじゃあない!
 そう内心虚勢を張る。本人にとっては十五歳になればもう立派な大人なのだ。
 少年は、握っていたドアレバーにギュッと力を込めて勇気を奮うと、足を一歩踏み入れた。
 先程の男達は、もうこんな未熟さたっぷりの少年など既に意識に無く、煙草を燻らせながら次の手のカードにすっかり集中している。
 彼は更に二、三歩進み背後でドアが静かに閉まるのを感じながら、店内に素早く視線を走らす。
 まず店の左端に上に上る階段がある。
 そして奥にはカウンターバーがあり、中には一人の中年のウエイターが三、四人の接客をしている。
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