雪天使~お前に捧ぐカノン~
雪天使~お前に捧ぐカノン~
成人向アフィリエイトOK
発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第7章 act,6:コンプレックス
「……ガキってぇのは無駄に元気だな」
 溜め息交じりで言いつつも笑顔を浮かべて見送ると、元来た方向へとバイクを発進させた……。

 ――人工水路を沿うように、鉄工団地に向かって歩くロード。
 底を張り付くように浅く流れる汚水。
 突然の羽音に目をやると、その水路に転がっていたネズミの死骸に目敏く気付いたカラスが二、三回突付いている。そしてそれを銜えると、カラスは再び舞い上がって行った。
 その様子を見送り歩を止める事無く再び顔を前方に戻すと、少し先に知ってる姿があった。
 細身で小柄な華奢な体は、黒人特有の肌色をしていた。その黒人少年はロードと同じ十歳にも関わらず明らかにロードよりもはるかに小さく、周囲の七、八歳の子供と変わらぬ背丈だった。
 その黒人男児こそ、小児妊婦と言われる母から未熟児として産まれた子供の一人だ。
 名前はスモール。周囲から便宜で付けられた呼称だ。スモールの母も例外なく彼を出産直後に死亡している。その産まれたてのか弱い命を拾い育てたのは、当時九歳のあのエリートだった。よってスモールは自動的にエリート側のグループに所属していた。
 ツートップコンビと呼ばれるぐらいに仲の良いRとエリート。
 そのRの統括するグループの一人であるロードと、エリートの統括するグループの一人であるスモール。体の大きさ、色こそは違えど、同じ年の同級生同士であるロードとスモールだ。同じく彼等もツートップコンビ同様に仲が……。
「ブラックのカラスが羨ましいのか甘ちゃん坊や」
「……同じブラックにしちゃあカラスの方がてめぇの五倍は利口そうだと思っていただけさ。このクソチビクロンボ」
 ―― 良い訳がなかった。
 実はトップ同士のRとエリートも呆れるぐらい、ロードとスモールは犬猿の仲だった。
「いつも言ってんだろう。このロード様の行く手を阻むなと。小せぇから気付かず踏み潰しそうになるんだよ」
「うっせぇぞクソシロンボ野郎。やたらとどんどんミルク臭さが近付いて来るから、何かと思ったらてめぇから臭ってたんだよ。一緒に居るカノンさんにバブバブ言って乳縋(すが)ってたんじゃねぇか!?」
「あぁ!? 小児母の子であるてめぇが言うセリフかスモール? お前こそ未だに母親恋しさにその辺の女児から乳せがんでんじゃねぇの!?」
 ロードの言葉にスモールの目の色が変わる。
63
最初 前へ 60616263646566 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ