雪天使~お前に捧ぐカノン~
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成人向アフィリエイトOK
発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

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雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第7章 act,6:コンプレックス
 SCCの駐車場からドゥカティを押し出してきたシャルギエルは、広い場所に出ると跨って鍵を差し込んだ。
 ふと見ると、三台先の高級車の向こうに見覚えのある高級車が停めてあるのに気付いた。しかし誰の車だったかまでは思い出せない。
 ま、所詮見覚えがあると言っても親の社交友人の誰かだろう。俺には直接関係ないしどうでもいい。しかし世は権力と無力で貧富の差を隔て人間を区別したがるが、結局こんな所に足を運んでコソコソと野蛮な行為に華開かせている辺り、所詮誰もかれも同じ穴のむじなだな。
 そう思いつつふとそこから目を逸らした時、背後から声を掛けられた。
 振り返るとロードが手を振りながら走って来た。
「おうロード。一旦帰るぜ。一晩世話になったな。お前は今からお子ちゃまらしくお遊びか?」
「違うさ! さっきまでは友達とサッカーはしていたけど、今から仕事に行くんだ。そこの工場地帯で雑用をさ」
 ロードはずっと奥にぼやけて見える、黒く小さな一帯を指差す。
「へぇ! いくら稼いでるんだ」
「一時間ワンコイン」
 感心するシャルギエルに、ロードはあっけらかんと答える。
「はぁ!? たった!? 思いっきり非法労働の不完全雇用じゃねぇか!」
 シャルギエルは顔を顰(しか)めて喚く。そんな彼にロードは冷静に答えた。
「仕方ねぇんだよ。本来ガキを雇うのを禁止されてるのに仕事貰ってんだからさ。何もねぇよかマシさ」
「……そうかよ……」
 シャルギエルは大人のそういった好都合と身勝手を悪用して、子供を奴隷化労働させている矛盾に複雑な心境を覚える。
「また来るんだろう?」
 ロードの言葉にシャルギエルは肯く。
「色々有り難うな! 次会うのを楽しみに待ってるぜ!」
 そう言って手を上げながら駆け出すロードに、シャルギエルは声を掛ける。
「送ってってやろうか!?」
「いやいいよ! どうせ近いし! またな!」
 ロードは元気良く駆けて行った。しかし近いと言ってもここから見える工場地区一帯が、ピンボケするぐらいの距離からすると簡単に近いとは言えない気もした。しかし子供の新陳代謝にしてみれば、こちらが思うより平気な距離なのかも知れない。
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