雪天使~お前に捧ぐカノン~
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成人向アフィリエイトOK
発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

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雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第7章 act,6:コンプレックス
 それはつまり無意識ながら、〈異性〉を〈女として意識する心〉という変化の始まりを意味した。尤もカノン本人はそこまで深くはまだ気付いていないようだが。
「じゃあ行くよ」
 シャルギエルはベッドから立ち上がる。
「あ、えと……」
 まだ先程の彼の言葉に動揺していたカノンは、思わずどうすれば良いのか分からずベッドから降りてアタフタする。
「また……その、遊び、に来ても……文句ねぇか?」
 少し気恥ずかしそうにシャルギエルは訊ねた。
「……あんまり目立つんじゃないよ……」
 そう呟いてカノンは再び彼に背を向ける形で、ベッドに腰を落ち着かせる。 
 ドアを開けるとまだ端々に残雪があるものの、昨夜一面を覆っていた積雪はすっかり溶け、路上がその姿を露にしていた。
「おー! いい朝だ!」
 シャルギエルは言いながら体を大きく伸ばす。
「それじゃあひとまず、またな」
 背を向けたまま片手を上げると、外に一歩踏み出そうとした。と同時に、カノンから声を掛けられ彼は振り返る。
「シャルギエル」
「うん?」
「――有り難う」
 そう言ったカノンは、愛らしい笑顔を彼に向けていた。
「……いいって事よ」
 シャルギエルは軽くときめきを覚えつつ笑い返す。
「また必ずお前らに会いに来る。それまで健康無事でいろよ」
「あんたがくれた食料のおかげで、数日は食には困らないさ。あんたこそとにかく目立たないように、無事にまたおいでよ」
「おう」
 ニッと笑って見せると、改めて片手を上げて静かに出て行った。
 彼の姿を最後まで見送っていたカノンは、閉まったドアを暫く見詰めていたが、はたと我に返ったようにピクリと体中に緊張を走らせた。そしてもう一度一人っきりになった部屋でクンクン自分の臭いを嗅ぎ直すと、大きな金ダライを引っ張り出す。
 いつもの工程でヤカン一杯に水を入れてお湯を沸かし始めながら、タオルを一枚取り出しボソボソと呟いた。
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