雪天使~お前に捧ぐカノン~
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成人向アフィリエイトOK
発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

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雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第6章 act,5:スパーク ~Rとエリート~
「……いいや……。今度は更にその上がいるんだ……。それがあの忌まわしい“シークレットセレブリティークラブハウス(SCC)”だよ。そこに唯一、ギャングトップの顔パスの出入りが許される。ギャング共が捌いてきたもう用無しの子供達をSCCにいるボス達に収納して、その子供達を国際規模でビジネス化するのが、そのSCCで裏稼業や余興を楽しんでいる金持ち共だ。中にはマフィアやウォールと繋がりがある連中もいる。だから私は極力あそこには近付かないし、Rやエリートを刺激しない様に息を潜めて大人しくここで生活している」
 漸く全てをカゴの中に拾い集めたカノンは、涙をそっと拭いつつ語った。
「あんなクソヤロー共の下で、お前今まで怯えながら暮らしてたってのかよ」
 今になって買い物に行く時に、カノンが酷く動揺した意味を知る。
 シャルギエルの言葉が他人事の様に聞こえた彼女は、座り込んだままカゴにしがみつく形でついカッとなって叫んだ。
「あんたには分からないよ! あたいらの苦労なんて! 生き抜く為だ! あいつ等なんか本当は大嫌いだ! でも今は! とりあえずあの藁を掴んでおかないと沈んじまうんだよ!!」
 すると唸る様に低い声を絞り出しながら、彼はゆっくりと口を開いた。
「……あの藁だと……? あんな藁、既に腐ってる。いつその腐った部分がちぎれて沈まされるかと怯えて生きたって時間の問題じゃねぇか。俺は違うぞカノン」
「え……?」
 カノンはシャルギエルを見上げた。辺りはすっかり夜の帳が下りようとしていた。
「俺は藁なんかじゃねえ! どんな荒波にもビクともしねぇ鋼鉄の鎖だ! てめぇが離さねぇ限り絶対に切れて沈む事はねえ!!」
 雪の中、薄闇に消えて行った二人の姿をしっから睨み付ける様に声を張った。
「シャルギエル……」
 まるで力強く手を伸ばしてくれる、救いの天使にカノンには見えた。
 だが結局は住む世界の違う者同士。彼がこの町に住む気なんてまるで無いだろう。今まで裕福な暮らしをしてきた彼だ。絶対にここの生活には耐え切れない。……彼は悪くない。それが贅を極めた人生を味わった金持ちの自然の反応だ。まさに天地の差。彼が天に住まう天使なら、私など地を這う虫けらに等しい。天使が、虫けらの巣くつになど……居つける筈が、無い……。
 カノンはシャルギエルへの想いを心から振るい落とすと、立ち上がり静かに言った。
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