雪天使~お前に捧ぐカノン~
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発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

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雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第5章 act,4:アモーラル
 両手にカゴを持ちながら大股でザクザクと頑丈な本革ブーツで雪道を蹴散らして歩く彼を、必死でコートの裾を持ち上げながら追いかけるカノン。
「ちょっとシャルギエル! 酷いよあんな言い方……!」
「こちとら銃を向けられてんだぞ! 酷いのはあっちだろう!!」
 雪降る中、歩を緩める事無くシャルギエルは前を見据えたまま言い返す。
「それだけここの治安が悪いって事が、どうして分かんないのさ!」
 なかなか彼の元に追いつかず、息がどんどん荒くなりながらも尚も叫びながら必死に追いかけるカノン。
「分かんねぇよ! どうせ俺ァ世間知らずの箱入りボンボンだからなぁっ! 俺が習ってきたのは寧ろ人としての社会的マナーとルール、そして常識だ! だからあのクソジジイがこの俺様に銃を向けやがったのは俺への侮辱だ! 本来ならとっとと買い物もせずに店を出る所だが、あのまま盗っ人扱いされたんじゃこの俺様のプライドが許さん! 金をチップ付で置いてっただけでも己の行いに反省しまくって、自殺せずにはいられんぐらいに死ぬほど感謝しろってもんだ!!」
「それだけあのおじさんも怖い思いをしてきたんだ! あそこはよく強盗、万引きが多発してるからね! そんな町でまさかマナーだのルールだのを守るまともな人間が大買いしてくれるとは思わなかったんだよ! そんなに金持ちは偉いのかい? そんなにプライドが大事かよ! あたいはそんなもんよかよっぽど思いやりの方が大事だね!!」
 大股で歩く彼を必死で追いかけながら漸く背後まで追いついたカノンは、白い息を弾ませながら叫んだ。
 その言葉にシャルギエルは突然ピタリと足を止めたので、カノンはウプッと彼の背中にぶつかる。そんな事を気にせずに、シャルギエルは振り向く事無く静かに言った。
「……銃を向けられてもかよ」
「だからそれだけ攻防体勢を取らざるを得ない経験が何度もあるから、咄嗟に取ったいつもの条件反射で銃を構えただけで、撃っちゃいないじゃないのよ! 文句なら撃たれてから言いな!」
 カノンはシャルギエルの前に進み出ると、今度は先を歩き始める。
「……アホか。撃たれてからじゃ遅えだろう」
 シャルギエルもそう吐き捨てて、今度はカノンの後を追う形で再び歩き出す。
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