雪天使~お前に捧ぐカノン~
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成人向アフィリエイトOK
発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

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雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第5章 act,4:アモーラル
「俺はお前の笑顔が見たい」
「え……」
 相変わらずまだ少し強張った表情で、目だけがキョトリとしている。
「見返りをどうしても気にするってんなら笑っとけ。俺への見返りは、その笑顔だけで十分だ」
 そう言って彼女の顔を覗き込んで言うと、ニカッとシャルギエルは笑って見せた。するとカノンは次第にゆっくりとだが、顔がほころんできた。
「そんな事言われたの……あんたで二人目だ……」
「二人目?」
「うん。一人目は私と二年間小さい時一緒にいてくれた神父様。私を拾ってくれて、まだ名無しだった私に、カノンって名前をくれた。私が教会前に辿り着いて倒れる時に、神父様がオルガンで弾いていた曲がパッヘルベルのカノンでね。その時の静かでゆったりとした音調に引き寄せられる様に、教会に辿り着いた。だからそういう色んな意味で、私は自分の名前が好きなんだ。……優しい事言ってくれてありがとう。やっぱりシャルギエルは、神父様が私達に遣わしてくれた天使様かも。雪天使様」
 カノンは涙を零しながら、彼の片手を取り自分の頬に当てた。
 彼がその手の親指で彼女の涙を拭うと、カノンはクスリと笑ってシャルギエルのその手首に軽く口づけをした。
 それをきっかけについカアッと胸が熱くなったシャルギエルは、思わず彼女にキスをしたい衝動に駆られたが、彼はかぶりを振った。まだだ。まだ気が早い。シャルギエルは理性で自分に言い聞かせると、ひとまずカノンの頭を自分の体に抱き寄せた。
「バーカ。天使なんかじゃねえよ。俺はただの、俺だ」
「ふふ。天使様の名をした、ね」
 彼の腕の中で静かに言うと、気持ちを切り替える様にカノンはパッと顔を上げた。
「あんたみたいなボンを一人でやったら危ないわ。あたいも一緒に行くよ」
「いくらこの町がスラムでも俺は男だぜ。それにロードを置いては……」
「大丈夫。平気さ。普段からよくお互い留守したりさせたりだからね。さ、行こう! 道案内も兼ねて、ね」
 ニコリと笑ってカノンは、シャルギエルの腕を取って引っ張る様に外に出た。
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