雪天使~お前に捧ぐカノン~
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成人向アフィリエイトOK
発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

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雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第4章 act,3:オーファン
 だからこの辺の子供は大概拾われた場所や性格に沿った名前を、適当に付けられているだけなので、捨て子の“名前”などただの呼ぶ為だけの便宜。深い意味や願いを込められた名前の子供なんかは捨て子の中にはいやしない。
 勿論初めは親に育てられてた子はきちんとした意味ある名前をもらえる。しかしやがて家庭内暴力による虐待だの親が死んだりして家族を失ったりだので、ストリートチルドレンに堕ちる子も大半だった。
 だから基本的にストリートチルドレンと言っても、初めから親に故意で捨てられた“捨て子”と、親は別にいたり失ったりして“堕落児”になるのとで二種類だった。
 部屋中にコーヒーの香ばしい香りが広がる。
 彼女はまだこちらに背を向けたままカップを相手にカチャカチャしていたが、ある程度手元が落ち着いたらしくクルリとこちらに向き直って洗い場にもたれかかった。
 金属のカップに作ったコーヒーを意識してか、少し冷ます為にもう暫く置いておくつもりだろう。
「だから単語が呼び名の奴は“捨て子”だったと思ってほぼ間違いないね。中でも酷いのは、捨てられた場所や状況が最悪な子さ。下水道や廃車置場、そして墓地で見つかった赤ん坊はそのまま“ヘドロ”“スクラップ”“セメタリー”と呼ばれる様になった子もいるし、一番地獄なのは重度の麻薬中毒者(ジャンキー)の母親が産み落とした自分の赤ん坊に、道端で火を付けたそうなの。その時周りにいた人が慌ててこの子の火を消して助かった。そして同じくその母親も狂って自分で油をかぶり火だるまになったらしいけど、みんな赤ん坊を守るのに必死でヤク中狂いの母親には目もくれなかった。だからみんなが気付いた時には当然すっかり焼死してたんだって。助けられた赤ん坊は全身五割の火傷の跡が残って酷い容姿になってしまった。それでもこの町の心ある人達数人で代わる代わるその子の面倒を見てきたけど、去年の秋その子は我が身の醜さを呪って首を吊って自殺してしまった。“ブランド”(烙印)の呼び名を付けられた女の子で……私と同じ年のストリートチルドレン仲間だった……」
 ここまで話したカノンは少し俯くと軽く唇を噛んだ。シャルギエルは彼女の表情に目を見張る。だがカノンは吹っ切る様に顔を上げると、再びクルリとこちらに背を見せて洗い場の方に向き直った。
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