雪天使~お前に捧ぐカノン~
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発行者:妃宮 咲梗
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ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

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雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第4章 act,3:オーファン
 そしてその前には黒シミなどで汚れた丸い、かつて太縄を巻き付けていたであろう1,2メートル位の木造のリールが、横倒しに置かれてある。それを囲む様に空の一斗缶やさびの目立つパイプ椅子、買い物かご程の木箱が置かれている。どうやらテーブルと椅子の代用らしい。
 ドア左手の壁手前側の角には、L字形に二つの手作りベッドもどきが互いに頭を角に向ける形で設えてある。板を人が納まるサイズに囲って、その中に大量のわらを敷き詰めてからシーツらしき布で上を覆っている。
 そしてペラペラのブランケットだか布切れだかが数枚。寒くなってくるこれからを、これらの布を重ねて寝るのだろうか。先程途中で見せられた、小屋で寒さに震え何重もの布に包まっていた人々同様に。……そもそもこの二人もスラムの住人なので当然なのだが。
 しかしベッドの脇に、巨大な薄いブランケットを二枚縫い合わせて作ったであろう二つの筒袋があり、その中に大量の羽毛やら綿や藁、布の切れ端等がごちゃ混ぜに突っ込まれている。
「……こいつは動物大量毛刈りか何かのゴミの後か?」
 つい思った事を口にしつつ、シャルギエルは顎でその袋をしゃくる。
「失礼ね! これから冬に備えての手作り布団の材料だよ! 食肉する際の鳥の羽毛や不要になったクッションとかが捨てられているのを、街のゴミ捨て場から掻き集めて来たり、後は見ての通り柔らかく揉んだ枯れ草! こんなんでも冬無いよかマシだからね。ごちゃ混ぜに中に詰めて少しでも暖の取れる掛け布団を作ろうとしてるのさ」
 そう言うカノンを見ると、水回りの側に置かれたすすだらけの一斗缶に入っている木炭に火を付けたマッチを投げ入れている所だった。
 つまり拾ってきたゴミを!?
 内心耳を疑わずにはいられないシャルギエル。
 次にカノンは一斗缶の上に金網を乗せ、少しデコボコにへこんでしまっているヤカンに何とか水道だけは通っている蛇口から水を入れて、更に金網の上にヤカンを置く。コンロとして代用しているらしかった。 
 それを見たシャルギエルは、ついにカノンの言動への両意見として素直に驚愕の思いを口にした。
「えぇ!? マジでか!? ある意味色んな意味で凄え事すんだな!」
「人の苦労を馬鹿にすんじゃねえ!」
 途端、ドカッとロードからシャルギエルは尻を蹴り上げられた。
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