雪天使~お前に捧ぐカノン~
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成人向アフィリエイトOK
発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

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雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第3章 act,2:出会い
 いつの間にかまた歩き出していたカノンは、いつまでも背後で立ち止まったままの彼に気付いて、キョトンとした顔をしながら声を掛けてきた。
「どうしたのさ? この町でモタついてたんじゃあ、あっと言う間に何者かに懐くすねられたりするのがオチだよ。さっさと歩きな」
 二メートル程先にいる彼女に促がされて、ハタとまたもや我に返らされたシャルギエルは、少し慌てる様に足を踏み出す。するといつの間にやら自分の足元にいるロードに気付く。
「……な? いいだろ?」
 そうボソリと足元でニタつきながら言ってくるロード。
「? 何がだよ」
 十歳の男児の言葉にシャルギエルは訝る。するとすかさずロードが肘で彼の脇を突付いてシャルギエルに聞こえる程度の小声で言った。
「カノン姉ちゃんさ。可愛いだろって言ってんのさ。あんたが見とれるのも仕方ねぇよ。ありゃあ大人になりゃあ磨き具合によっちゃあ大女優並みの美人になるぜ! あんたいい原石見つけたな!」
 とても十歳の男児が言い出す言葉とは思えないその言い回しに、シャルギエルはドギマギしながらつい慌てふためいてしまった。
「べっ、別に俺は見とれてなんか……!」
 カッと更に赤くなるシャルギエルの気持ちを知ってか知らずか、先を歩いていたカノンがもどかしげに彼の元へ足早に戻って来るや否や、コートのポケットに両手を突っ込んだままのシャルギエルの腕を取って、急かす様に先を進めた。
「ほら早く」
「わ、危な! そんな急かすなって……!」
 突然片腕を組まれて引っ張られる様に歩かされて、少しバランスを崩しながらも何とか立ち直すと、心臓が更に高鳴るのがカノンの耳に届いてはいないかと、少し気にしながらも必死にクールさを装いながら、年下の少女に促がされるままにシャルギエルは歩き出す。
 
 あれ程初めは野良猫の様に警戒して威嚇しまくっていた筈の赤毛の少女カノンは、今や彼がこのスラムじゃ世間知らずである事と、その名をシャルギエルと聞いて、随分このワイルドな男を夢見る少年に気を許した様だった……。 
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