雪天使~お前に捧ぐカノン~
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成人向アフィリエイトOK
発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

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雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第3章 act,2:出会い
「で、あんた何てぇの?」
 突如少女に聞かれ、フゥと一息吐いてから少年は静かに答えた。
「シャルギエルだ。シャルギエル=グレアム・ジャンセン。十五歳だ」
「え……?」
 少女が少し驚いた顔を見せた。
「……何だよ。やっぱこんな町にまでジャンセン一族の名声が知れ渡っちまってんのか。だったらあんまり思い通り自由にゃ出来ねぇかな……って、お? 今日はやたら冷えると思ったら……見ろよ。雪が降ってきたぜ」
 シャルギエルはコートのサイドポケットに両手を突っ込むと、突如はらはら降って来た雪に空を仰いだ。
「へぇ! ホントだ! 珍しいなぁ! 今はまだ十月末だってのに、今年の初雪は早いな!」
 ロードが雪を見て漸く子供らしくはしゃぐ。
「いいえ……きっとあんたの仕業よ……」
少女は雪をそっと手の平に受け止めて、静かに呟いた。
「……俺の仕業? 何でだ」
「だって“シャルギエル”ってんでしょ。名前」
 キョトンとして白い息を吐きながら脇に居る彼女を見やる彼の視線に、少女は少し大人びた目つきを向けて、お互いの視線を絡める。
「……それがどうかしたのか」
「知らないの?」
「お前が俺の名前を聞いて驚いたのはまさか“ジャンセン”の方じゃなくて、俺のファーストネームにか?」
「そうよ。“ジャンセン一族”がどんだけ凄いのかなんて少なくともこの町じゃ知ったこっちゃないから安心しなよ。あたいにとって寧ろそのファーストネームの方が重要よ」
 そう言って少女は彼の目から視線を逸らすと、再び雪を降らせる薄暗い曇り空を見上げた。
「この俺の名を重要扱いされたのは今回が初めてだぜ。で? この名前がこの雪と何の関係があんだよ」
「ふふ……とりあえず歩こうよ」
 彼女は何故かはぐらかす様に少年に背を向けると、ゆっくりと歩き出した。ロードも少女の後に続く。
 シャルギエルは意味も分からずひとまず言われるままに、後からポツリポツリと歩き出しつつ一言、放った。
「……――カノン」
 ピタリと少女は歩みを止める。それに合わせて彼も足を止めた。
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