雪天使~お前に捧ぐカノン~
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発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

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雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第3章 act,2:出会い
 シャルギエルはたった今黒人の子にしたチップを渡す行為といい、ここいらでは有名らしいこの店の敷地内に駐輪させた自分のバイクの事といい、今更その一部始終を見ていた少女等に“同じ貧乏人です”なんて嘘は通じないと悟り、自分の束ねた後ろ髪を右肩から引き寄せて指先で弄りながら、肯くしかなかった。
「え? う~ん……別にそれを鼻に掛ける気はねえけど……そんなとこ、カナ?」
 その言葉を聞いて、更にジリッと後退りながら訊ねる少女。
「それで……この店に……?」
「うん? いや、だからここに来たって訳じゃねぇけど、たまたまこの町に暇潰しに来たら、俺みてえなのはここらじゃ狙われ易いから、まだ暫くこの町に居る気ならバイクはこの店にさり気無く置かせてもらって隠した方が安全だって、この町の入り口辺りにある整備工のおっさんにアドバイスもらってさ」
 そう言いながら自分が元来た方向を親指で示す。
「じゃあこの店自体に遊びに来た訳じゃないのね……?」
 相変わらず不安げな面持ちだった少女の表情が、心なしか少し和らいだ気がした。
「……ああ。つぅか、この店どんな店?」
 キョトンとしながらSCCの建物を改めてシャルギエルは確認する。
「……ここは……大人の金持ちが表では出来ない危険な遊びを隠れて楽しんだり商売したりする、人として最低な店よ……!!」
 シャルギエルが危険な人間ではないと判断した少女は、それまで抱き締めていた男児を解放しながら、毒を含んだ様に呪いを込めた声色で吐き捨てた。
「ふぅん……そうなのか……」
 何度聞いてもそれがどれだけ最低な店なのかというレベルが分からず、いまいちピンとこない心持ちで他人事の様にとりあえず頷いておくシャルギエル。
「マジだぜ兄ちゃん」
 そう足元で言ってきたのは、ロードと呼ばれた男児だった。
 少しボサボサの短い栗毛色の髪。幼さの中にも少し冷めた感じを放つ、クリッと大きなグレーの瞳。恐らく数々の貧困から来る経験のせいで、夢や希望より現実的な冷めた光を早くもこの年で、その幼い瞳に宿す様になったのだろう。
「そもそも何しにこんな腐った町に来ようなんて思ったのさ。ただの暇潰しで箱入り坊ちゃんが足を向けるからにゃあ、ちゃんとした理由がないとあんまりこんな所に来たがらねぇんじゃねぇか?」
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