雪天使~お前に捧ぐカノン~
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成人向アフィリエイトOK
発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

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雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第20章 act,19:オルガナイザー
「総裁。今週だけで十六件の臓器移植が決行され、その全てが成功に終わっております」
「ほぅ! 一週間でそれ程の数の患者(クランケ)を……!? よく型の合う臓器提供がスムーズに叶うものだな! 一体君はどんな魔法を使っておるのかね。Mr.マックィーン」
 自分が管理経営している総合医療大学と取引をしている手腕の部下に、シャルギエルの父親で総裁であるジャンセン氏は茶色の高級本革製の大きい背凭れの椅子に身を委ねながら、悠然と相手に尋ねた。
 Mr.マックィーンと呼ばれた四十代後半ぐらいで薄茶色の髪をスッキリ短くカットした、少しエラの張った男は自信を漲らせながら答える。
「いえ、ただ繋がりが広いだけですよ。いくつもの提供者個人(ドナー)や業界と任意で契約していますので」
「それは凄い。信頼の賜物だな。君の人柄は死を目前にした者にさえ好かれる何よりもの証拠だと言う事だろう。君の様な自慢の部下を持って私も鼻が高いよMr.マックィーン」
「ただ努力すれば助かる命を守りたい。単純に当たり前の事をしているだけですよ。生も死も均等に尊いものですから」
 マックィーンの謙虚な言葉に深く感銘を受けたらしいシャルギエルの父親は、両手を広げて表情を輝かせながら顔を振って見せる。そして突拍子に訊ねる。
「君には家族はいたかね」
「生憎。仕事が仕事なだけに家族を持つと、きっと余計な情が入って今の仕事を続けられなくなりそうで……。今もこうして仕事一本で人間の命を敬っていきたいと思っているのです。仕事と結婚したとでも言うべきでしょうか」
 苦笑して見せながら、自分の言葉に内心自己陶酔に浸りながら語るマックィーン。
「そうか。ならば是非イヴの日にはうちのパーティーに来てくれたまえ。君のその心意気と仕事の敏腕性と情熱を、招待客にも披露したい」
 ジャンセン氏は椅子から立ち上がりワイドな机を迂回して彼の横に並ぶと、美しく長い指をした手を差し出した。
「はい。勿論喜んで。お誘い感謝致します。それでは次の仕事が控えておりますので、ひとまず失礼します。総裁」
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