雪天使~お前に捧ぐカノン~
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成人向アフィリエイトOK
発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

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雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第19章 act,18:パシフィックタイム
 見るとまたもやアースンだった。相手は恐らく男色好みの男なのだろう。しきりにアースンを口説いている。
「じゃあ付き合おうぜ俺達。な? そしたらヤラせてくれるか?」
 その二十代の男は必死だ。
「やらせるやらせないの問題じゃないってのよ! 何よその建て前だけの言葉! 全っ然ラブが感じられないわ! あたしはね、そんな下品な口説かれ方よりももっと大人で、情熱的でクールな口説かれ方じゃなきゃときめかないの。例えばオッシー様みたいなクールなハンサムガイだとか……とにかく、一昨日出直していらっしゃい!!」
 アースンは煩わしそうに向こうへ早歩きしながら相手の男をあしらっている。すると、もう見込みがないと諦めた男が腹癒せに捨てゼリフを吐き捨てるべく口を開く。
「ケ! 何贅沢言ってんだ! 所詮カマ野郎を誰が本気に熱上げると思って……」
「どぉわぁーれが“ボンビー釜揚(かまあ)げヒート野郎”じゃこの発情鬼畜ジジイがあぁぁーーーー!!」
 相手の言葉が終わらない内に、アースンは激と共にその男の股間を突き上げるような荒技、“昇竜蹴(しょうりゅうけり)”を叩き込んだ。
「あっ! 痛……!!」
 思わずシャルギエルの呟きと共に忍鷹も共に二人して顔を背ける。
 彼等も他人事とはいえ同じ男として見るに耐えない思いがあるのだろう。男なら自然な反応かも知れない。そんな二人にキョトンとするカノン。
 蹴り上げられた男は、白目を剥いてその場に崩れ落ちる。余りの激痛を受けると人というのは声も出なくなるらしい。
「人がせっかくおしとやかに断ってやってんのに図に乗りやがってあたしに言っちゃあならねぇタブーを口にしやがって……! 今度またあたしに気安き声を掛けてきたらそのなまくらバッドに火ィ点けてマスタード塗りたくってフランクフルトに仕上げてからおんどれの口の中に捻じ込んだるぁ! この使い損ないの意味無しチンポ野郎!! てめぇみたいな奴ァモグラが開けた土穴にモノぶち込んで、地球相手に腰振ってろやボケ!!」
 吠えるだけ吠えてスッキリしたアースンは、ツンと澄まして工場の中へと姿を消した。残された男は、「誰もそこまで言ってない……」と呻きながらトントンと腰を叩きつつまだ苦悶に身を歪めていた……。
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