雪天使~お前に捧ぐカノン~
雪天使~お前に捧ぐカノン~
成人向アフィリエイトOK
発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第3章 act,2:出会い
 暫く行くと、確かにこの町並みには似つかわしくない立派とまではいかずとも、少し小洒落た造りのまともな建物が突如姿を現した。その周りには確かに高級車が数台並んである。
 とりあえずさっきの男に言われた通りに、バイクをそのエリアに駐輪しようと徐行して建物に近付いた時、その脇の路地から一人の男児が突然飛び出して来た。シャルギエルは大慌てでハンドルを反対に切って避けた為、スリップしてしまった。
「いっつー……。――おい、えーと……ボク、大丈夫か?」
 シャルギエルは少しよろめきながら、転んで起き上がろうとしているその男児に近付く。ところが、その子はわざわざ自分の痛みを堪えながら、子供の身を案じて手を伸ばしたシャルギエルの手を払いのけた。
「オイラ、ボクなんかじゃねぇや! もう十歳の立派な大人だ!!」
「……じ、じゅう……?」
 威勢の良い男児にキョトンとするシャルギエル。それを他所に男児は勢い良く立ち上がって更に声を上げた。
「そうさ! 今年でやっと十歳になったんだぜ! なのにいきなりてめえがこの俺様の行き先を阻みやがるから、危うく十歳にして死に掛けたじゃねえか!!」
「……あのな。普通に道路に飛び出すお前の方が問題あんだろが。何が十歳で立派な大人だ。交通ルールの基礎も分かってねえガキが」
 そう言ってポコリと軽くその子の頭をぶつ。とは言うものの、この町には信号や交通標識等の交通規則を示す代物が何一つない事に、まだ彼は気付いていなかった。
「あた! この! よくも……!」
「るっせガキ! いいから大人ってんなら大人らしく大人しくしやがれ! ほら、膝! 血ィ出てんじゃねえか! 見せてみな」
 そう一喝してシャルギエルは、悔しげにぶたれた頭に手を当てている男児の、クリッと大きな幼い瞳から刺す様な批判気な睨みを受けているのを無視して、男児の足元に屈み込む。そして内ポケットからスカーフをサッと取り出すと、傷口を覆う様に結んだ。
18
最初 前へ 15161718192021 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ