雪天使~お前に捧ぐカノン~
雪天使~お前に捧ぐカノン~
成人向アフィリエイトOK
発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第14章 act,13:不機嫌な愛の我がままな形
 唐突な事にすっかり頭に昇っていた血がストンと下がってしまい、我に戻ったと同時に漸く胸がドキドキし始め少しずつ顔が火照り始めた。
「あんたがプライドで言えないなら私から言ってあげるよ。いくらでも。好き。大好きだよ。ホントは凄く……愛しくなってたのシャルギエルの存在が……。――愛してる、愛してる。こんなに他の誰かを恋しいと思った男はあんたが初めてよシャルギエル。ありがとう――雪の天使様……」
「バ、バカヤロ、何度も言ってんだろ。俺は天使なんかじゃねぇって。ただの、男だ……」
 シャルギエルは、恥ずかしさの余り相変わらず意地を張ろうと言葉を適当に言ってみたが、いつの間にか自然に自分を抱き締めるカノンの華奢な体を抱き締め返していた。
 濡れた赤い巻き毛に顔を埋めると、シャンプーのいい香りがした。

 ――ふん。素直じゃねぇんだから。ま、何であれこれで両想いになったんだから良しとするか。ベッドの中で、二人の騒ぎにさすがに目を覚まし話しを聞いていたロードは、溜め息を吐くとクルリと二人の方へ背を向けて再び眠るべく目を瞑った。


「おいロード!」
 翌朝、出掛けるべく外に出たロードをシャルギエルが追い掛けてきた。
「今日も鉄工の仕事に行くのか?」
「いや。今はもう行ってない。実はさ。シャルギエルの生活支援のお蔭で俺、この際手に職を付けようと思ってさ。通ってる所があるんだ」
「へぇ。何だよ」
 ロードの横に並んでジャケットのポケットに両手を突っ込んで歩きながら、シャルギエルは訊ねた。
「車の整備工。ホラ。お前も知ってる、この街の入り口すぐにあるあの場所だよ。あそこで見習いとして雇って貰ってんだ。もっとも見習いの内は金は貰えない。腕のランクが上がるごとに給料が貰えその賃金も高くなる設定になっていて、それを納得の上で働かせてもらってんだ」
「ああ。あのガタイのいいおっさんの所か。そういや俺の事気にしてくれてたな。後で挨拶がてら面出すよ」
「OK. 伝えとく。で、昨夜はちゃんとあの後キスぐらいはしたのかよ」
「へ!?」
 突然のロードの何気なく訊ねてきた言葉に、シャルギエルはすっとんきょんな声を出す。
145
最初 前へ 142143144145146147148 次へ 最後
ページへ 
TOP