雪天使~お前に捧ぐカノン~
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成人向アフィリエイトOK
発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

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雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第14章 act,13:不機嫌な愛の我がままな形
「な、何だいシャルギエル。どうしちまったんだい?」
 キョトンとする義姉に、ロードは悠然と歩み寄りながらあっけらかんと言いやる。
「さぁな~。自分に否定する部分でもあるんじゃねぇかぁ~? 例えばAとかBとかCとか……」
「AとかBとか……? 本を読むにあたっての語学力についてかね? 母音と子音の違いとか? スペルによっての発音の違いとか? そ、そうだよね。あたいも所詮読み書きなんて七歳止まりだもんね。もっと難しい単語とかはついていけないかも……」
 本をパラパラ捲りながらロードに言われて呟くカノンにもロードは呆れた。
「お似合いだぜ」
 ロードは肩を竦めて遠くでオタつくシャルギエルと、目前で本を開いて立ち尽くすカノンの二人を残して先を歩き出した。真冬の空っ風に吹かれて、置き去りにされた少し間の抜けた幼さの残る若い二人の男女は、同時に大きくくしゃみをするのだった…。


 その夜、カノンの朗読する本をBGMに、シャルギエルは昼間の店でテイクアウトしたサンドイッチに齧り付いていた。
 一足先に夕飯を済ませ、湯浴みをしたロードはテーブルに付いて黙ってカノンによって紡ぎ出される物語に想像を膨らませ、純粋に無邪気な子供らしく楽しんでいるようだった。その本は二十四編からなる短編集になっていて、読む方にも聞く方にも疲労を与える事はなかった。
 銀紫もその辺を考慮して貸したのだろう。借りて来た本二冊とも同じ具合の作風になっていると思われる。かと言って童話ではなく、学童向けの物語になっていて幼すぎず難しすぎずの内容だった。
 シャルギエルはと言うと、腹癒せか持参したiPOTで曲を聴いて未だに己の中の不快感を紛らわせている。パーカーを被っているのでカノンはそんな彼に気付いていない。ロードを別にして。
「あーあ。こんな事なら銀紫ん家に今夜は泊まれば良かったぜ」
 ペットボトルの水で口の中のサンドイッチを流し込んで言い放つ。
「そうだよね。この程度の本ならきっとシャルギエル程の高学歴者にとってはただ退屈でしかないかもね」
 一括り本を話し終えたカノンが答えるも、iPOTを楽しむシャルギエルの耳には届いていない。
「俺ァ先に寝るぜ」
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