雪天使~お前に捧ぐカノン~
雪天使~お前に捧ぐカノン~
成人向アフィリエイトOK
発行者:妃宮 咲梗
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:青春・友情
シリーズ:【第一章】 ギャングウォリアー力闘編

公開開始日:2012/02/07
最終更新日:2013/11/28 09:44

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
雪天使~お前に捧ぐカノン~ 第2章 act,1:カジノ
「良かったら君も次回来た時の心の準備のつもりで、僕と一緒にチェックを兼ねて上覗いて見る?」
 するとすかさず、Rと呼ばれたアジア系の少年がふざける。
「おいおいよせよエリート! 今下手に刺激与えちまうと坊やの下のお子ちゃまが、耐え切れずに起立しちまって、それこそ優しく撫でてやんなきゃ気が納まんなくなっちまうだろ!? そん時ゃエリート、お前が責任持ってそうしてやれよ?」
 Rにそう窘められてエリートは、それは勘弁とばかりに両手を上げて降参ポーズを見せると、改めてカウンターからトレイを手にして階段の方へと姿を消した。
「ご馳走様」
 Rの人を馬鹿にする態度に不愉快そうにシャルギエルは、不機嫌な声で言って紙幣を一枚カウンターにバンッと置くと同時に立ち上がった。
「多いぞ」
 少し気遣うオーナーの様子を察して、シャルギエルは配慮する。
「いい。貰っといてくれ」
「本当かい!? いやぁ最後はうちの馬鹿常連のガキが気分悪くしちまったみたいで、すまなかったな! 有り難うよ! また来な!」
 シャルギエルの一丁前な紳士的な態度に、気を良くしたオーナーは明るい声で見送った。
 そんな彼の声を背中で受け取ると、背を向けたまま軽く手を上げて見せるのを返事にして、彼は店を出た。
 
 季節の割には今日はやたらに外は寒かったが、少しだけブランデーが効いていて思いの他心地良い。
 シャルギエルは道路を横切り、近くのパーキングに置いていたバイクへと戻りながら、ポケットから取り出したキーを片手にチャラチャラ玩ぶ。
 やがて辿り着くなりそのままの勢いでバイクに跨ると、キーを差し込んでエンジンを唸らせる。
 そして少しだけ思案を巡らすと、まだ体内に残るアルコールが勢い付かせたのか、以前からこちらも気になっていた場所……――貧民地区スラム街の方向へとバイクのハンドルを向けた。
 こうして何の苦労も知らない大金持ちのお坊ちゃまは、道楽からくる好奇心により人生苦労だらけの貧困人間の巣くつへと、元来た道とは逆方向にバイクを走らせるのだった。
 
 カジノのドアの隙間から、Rが顔を覗かせて見送っている事も知らずに……。
13
最初 前へ 10111213141516 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ