生真面目な彼女
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発行者:深縁
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2012/01/12
最終更新日:2012/06/06 01:11

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生真面目な彼女 第2章 深みへ



抱き込んだ私の身体に顔を埋め、息を吸う。

ピクリと肩が揺れたのは許して欲しい。

私も年頃の女なのだ。

夏に近い今日この頃に、体臭が気にならない女はいない。

だが、私の心の焦りも知らず、秋吉は顔を埋めたままだった。


無言で待つこと数秒なのか、数分なのか。

本能に負けかけていた秋吉が、多少落ち着いたようだった。

顔を上げ、あからさまに驚き、固まる。

そりゃあ、いつの間にか横にいたはずの私が、腕の中にいるのだ。

驚いてもらわなきゃこっちだって困る。


「秋吉」
「ま、ま、まーちゃん!?」



『まーちゃん』



とても懐かしい呼び名だ。

幼いころ、まだ私たちが一緒に遊んでいたころに秋吉がこう呼んでいた。

昔の名前で呼ばれたせいか、色んな記憶が溢れてくる。

一緒に動物園に行った事や、近くの公園で遊びまくったこと。

記憶が、私の身体に入りかけていた力を抜かせる。


「秋」
「!」

こちらも同じように幼い時のように呼んでやった。

息を呑む音。

そこまで驚くやつがあるか。

口元が弛んだ。

「秋が分かってないところの説明をするから聞いて」
「あ…うん」

離せとも言わず、プリントに視線を走らせ、指を伸ばす。

書いてある所で間違っているものにはどこが間違っているのか。

何もかかずに放置されているものには一から説明をする。

最初は戸惑っていた秋吉も、時間が経つごとに積極的に質問をしてくるようになった。


(予定とは違うが、これはこれでありだな)


心で思いながら、私は説明を続けるのであった。



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