やっと合格した志望高校。楽しみにしていた学生生活。それなのに、僕を待っていたのは、壮絶なイジメだった。考えてもいなかった。自分がイジメに会うなんて。中学時代、傍目に見ていた同級生のイジメ。まさか、楽しみにしていた高校生活でこんな目にあうとは…。毎日、放課後5人の男子生徒に体育館裏に連れて行かれ、暴行を受けた。彼らの目的がお金であることはわかっていた。しかし、女手一つで育ててくれる母から貰ったわずかなこのお金を、こんなやつらにだけは渡したくなかった。殴る蹴るの暴行を受け、意識が飛びそうになりながらも、必死に財布だけは守っていた。母からの気持ちがこもったこのお金だけは絶対渡すものか。毎日毎日、彼らの暴行は続いた。そんな毎日の中に修学旅行の日がやってきた。行き先は北九州門司港。本来なら楽しみで仕方ない修学旅行のはずだが、彼らの暴行がここでも襲ってくることを考えたら、行きたくなかった。しかし母親に心配をかけまいと何事もなかったかのように修学旅行に向かった。