盗んでやるぜ!(BL)
第1章 侵入
カチッ。と音が鳴った。
その直後。
「うおっ!?」
階段の一段一段がななめに、まるですべり台のように形を変えた。
オレはどうすることもできず、すべり台をすべり落ちていく。
「いでっ、いでで!あつっ、あっつっ!」
肌がこすれる痛みと、摩擦による熱にもんどりうちながら、なおもオレの体はすべり落ちる。
その時間は十数秒ほどだったのだろうけど、オレにはとても長く感じられた。
「うー…いたたたた……」
すべり台の終点で、オレは寝ころがって背中をさする。
もうしばらく、そうしていたかった。
しかし、突然にかけられた声で、オレは飛び起きる。
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