舞う蝶の果てや夢見る ―義経暗殺―
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ジャンル:その他

公開開始日:2011/09/25
最終更新日:2011/09/25 11:22

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舞う蝶の果てや夢見る ―義経暗殺― 第13章 墨俣川 再生平氏
 その頃義円の先駆けに慌てた行家は、全軍を率いて、霧の深い川面を渡河している最中だった。対岸より矢が飛んでくるが、ほとんどがそのまま川に落ちて行った。霧で見えなかったが矢の飛んで来る方向、太鼓や鐘の鳴る方向が平家の陣だと推測し、そこへ向かって進むことを全軍に支持した。行家は高ぶる気持ちに勝利を盲信錯覚し、馬に入れる鞭に力が入っていった。
 川面の霧を抜け出し、行家軍は鬨の声を上げながら、勢いよく岸に上がった。
 そのとき、初めて行家軍は平氏に誘導されてきたことに気づいた。七千騎の平氏に周囲を取り囲まれた真ん中に出てしまったのだ。富士川の時の弱い平氏ではなかった。
 重衡の合図に、怒涛のごとく平家の軍団が攻めかかった。夜叉丸と三十名の鬼姫衆は、側面からの攻撃の一翼を担った。行家の子の光家を見つけ、夜叉丸は光家を馬から蹴り落とした。そして、そのまま徒歩で逃げる光義を摩虎羅と金剛の組が両側から挟んで徐々に奥へ追い立てていった。その先には忠度が待っていた。
「薩摩守様、新宮光家にございます」
 夜叉丸の声に忠度は頷くと斬りかかってきた光義を塗籠籐の弓で強か打ちすえ生け捕りにした。
 行家軍はそのほとんどが討ち斃され、逃げる者も川の中で三百人が溺死するという有様で壊滅した。平氏の大勝である。
 行家は身一つで川を越え、激しい平氏の追撃に連戦連敗しながらそれでも逃れた。
 平氏にとってこの合戦は、富士川での敗戦以来、武人として覚醒しつつある証明となった。
 九州における菊池高直の叛乱も平家の有力家人平貞能により鎮圧されている。
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