私立全寮制御堂学園物語 ダークサイドバージョン
私立全寮制御堂学園物語 ダークサイドバージョン
成人向完結
発行者:とりさん
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ジャンル:その他

公開開始日:2011/09/25
最終更新日:---

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私立全寮制御堂学園物語 ダークサイドバージョン 第10章 第九章 カルマ
 涌坂は、電気もエアコンもつけず、薄暗い理科室で、見るともなしに分厚い実験書のページをめくっていた。灰皿には、あふれるほどの吸い殻がねじ込まれ、そばに銀色のジッポーがぞんざいに置かれている。
 ドアをノックする音に、涌坂ははっと体を起こす。
 「誰だ?」
 「僕だよ」
 涌坂は腰を上げて、霞のかかる頭を振る。ドアを開けると秀一が、相変わらずきちんと制服を着こなし、佇んでいた。
 「珍しいな」
 「そうでもないだろ」
 涌坂は秀一を招き入れ、ドアを閉める。
 「相変わらず煙草臭いな、ここ」
 「懐かしいかい?」
 「まあな」
 涌坂は秀一の返事に、少し戸惑った。憎まれ口が返ってくると構えていたからだ。間を埋める程度の気持ちで、涌坂は呟く。
 「なくなるらしいな、御堂学園(ここ)」
 「らしいな」
 「過ぎてみれば夢のような日々か。……それで?」
 立ったまま、秀一と正対し、涌坂は秀一の暗い眼をのぞき込んだ。
 「もう会うこともないと思ってね。一言礼が云いたかった」
 涌坂は苦笑いした。
 「らしくねえ。きつい冗談だ。けどさよならの挨拶くらいは……」
 秀一が、涌坂の煙草臭い息がかかるほどの距離に、ゆっくりと接近してきた。向かい合い、涌坂は戸惑うばかり。
 そして、秀一のポケットから折りたたみナイフが素早く抜かれ、器用に片手で開かれると、二人の肩は軽くぶつかって、銀の刃は涌坂の白衣を貫き、下腹部に深々と突き刺さった。
 「シュ……ウ……」
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