僕は知っている
第2章 第二章 友也と唐川-1
「驚いた?」
全裸になってくるりと回って見せ、唐川は友也に笑いかけた。
友也はごくりと唾を飲み、うなずいた。
「おじさん、ヤクザなの?」
あまりにも素朴な質問だった。友也の外見相応の子どもらしさに初めて触れた気がした唐川は、さらに表情を和らげた。
「まあね。でもヤクザはね、君みたいな悪い子には意外と優しいんだぜ。少なくとも警察よりは」
友也もちょっと笑った。ように見えた。
唐川は友也にもう一度背中を向かせ、靴下を脱がせると、彼の背中を押すように一緒にバスルームに入った。
中はユニットバスだ。トイレが一緒になっていて狭い。友也にはこういう設備も初めて見るものだった。
仄暗いオレンジの照明の下、トイレとバスタブを仕切るカーテンを閉めると、男と少年二人にとって、そこは息苦しいほど狭かった。だがその密室感、密着感が、唐川に性の高ぶりをもたらした。背中を見せる少年にとってどうなのかは、謎だ。
唐川はシャワーノズルを取り、湯を出して、手にそれを流しながら湯温の安定を待った。そして、「よし、洗ってやるからな」と言い、少年の頭に湯を浴びせ、袋入りの小さなシャンプーを全部頭上に開けた。少年は自分で頭に指を立てて、髪を洗う。顔も洗っている。
唐川は薄っぺらい備え付けのせっけんを取って、ちょっとシャワーノズルを少年に持たせ、その姿勢良く反った背中にせっけんを塗りつけて伸ばす。上から下に。肩甲骨から背骨を沿い、やがて臀部に。尻をなで回された少年は、一瞬だけ男の手を払いのけるような仕草をしたが、すぐにやめた。すでに「行為」は始まっているのだ。それを少年は理解していた。やはり「初めて」ではないのかもしれない、と唐川は思った。
「狭いけどな、ちょっとかがんで、そっちに手をついて、尻を突きだしな」
7
NIGHT
LOUNGE5060