僕は知っている
僕は知っている
成人向完結
発行者:とりさん
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ジャンル:その他

公開開始日:2011/09/18
最終更新日:---

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僕は知っている 第11章 第九章 友也と唐川、そして僕と、黒崎カラス
 この目も眩むような高さから飛び降りれば、僕はトラックに轢かれた猫みたいにぺしゃんこになって、脳漿や血を撒き散らした死体を残して、無に帰することができる。一〇〇パーセント。住人やマンションのオーナーには迷惑な話だが、誰にも迷惑をかけずにこの世から消えてなくなるなんて、なかなか難しいことなのだ。

 僕には反省も後悔もない。むしろ満足している。僕はこういう風にしか生きられなかったし、誰にも理解されないとしても、間違いなく僕自身にとっては価値ある、己の手の届く限りの高みに、一度は上り詰めたのだから。

 僕は靴を脱いで揃え、目を閉じて遠くに、できるだけ遠くに飛ぶ。両腕を拡げ、風を受けて。目を開くと、逆さになった無数の窓とベランダが、色とりどりの直線を描いて、飛ぶように過ぎていく。まるで漫画のスピード線みたいに。耳には風を切る轟音が響き続ける。目を閉じると赤い闇、そして僕の意識は遠のき、数秒後には真の、永遠の闇が僕を温かく抱いてくれる。

( 了 )
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