僕は知っている
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成人向完結
発行者:とりさん
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ジャンル:その他

公開開始日:2011/09/18
最終更新日:---

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僕は知っている 第2章 第二章 友也と唐川-1
 少年のからだを回転させ、唐川はしゃがみ、顔に顔を寄せて、くんくんと匂いを嗅いだ。少年の髪はさらさらとして、ちょっと伸びすぎで、眉にかかって、シャンプーの匂いがした。育ちのよさそうな少年に見える(というより、感じられる)。こんな場所は、いかにも不釣り合いだった。

 唐川は少年の性器を見た。仮性包茎の性器だ。勃起したら、中身がちょっとのぞきそうなくらいの、未成熟な性器だ。唐川はそれを下から撫でるように、ちょっと手を触れた。少年が思わず腰を引いた。唐川は性欲の疼きを覚えた。ズボンの中で性器が反応している。
 唐川は腰を引いた少年のちょっとした隙をついて、おもむろに唇を奪った。
「ん、む……」
 間近に見える少年の大きな潤んだ瞳からは、涙がこぼれそうだ。わずかにのがれようとする仕草があった。小さな手で唐川の胸を突き、頭を後ろに引こうとした。唐川はその頭を強く押さえて、逃さなかった。舌を絡ませて、唾液の交換をする。一分あまりのキスだった。もしこれが友也にとって初めてならば、濃厚すぎる男同士のファーストキスだった。もし初めてならば、だが。

 ようやく友也を解放し、唐川はジャケットに手をかけた。友也とは対照的に、丁寧に整えて置かれた彼の着衣の上に、乱暴にシャツやズボンを脱ぎ捨てていく。

 痩せて長身の唐川の肢体は、専門的なスポーツによって鍛えられたものではないが、引き締まって無駄が無く、筋肉は鋼(はがね)のようだった。特に色黒というほどではないのだが、今目の前にいる友也と対比すれば、この薄暗い部屋では、やや浅黒く見える。

 友也を驚かせたのは、その彼の肌の……。

 胸部から肩、腕、腹側から腿まで、そして、今は見えないが背中全面に、見事な極彩色の刺青が彫られていた。一部は爬虫類のようでもあり、植物のようでもあり、魚のようでもある。それは友也が短い人生の中で触れたわずかな美術の常識を、超越したところにある、美だった。だが、美であることに違いはない、と友也は感じた。
 友也は、刺青をこんなに間近で見るのは初めてだった。祭りの時の出店のテキ屋が、しているのを見たことがあったかもしれない。でもそれは、シャツの腕からはみ出るほんの一部分だ。あとは何となく、「ヤクザがやるものだ」という知識があるくらいだった。

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