僕は知っている
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成人向完結
発行者:とりさん
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ジャンル:その他

公開開始日:2011/09/18
最終更新日:---

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僕は知っている 第2章 第二章 友也と唐川-1
 穏やかな口調で話してはいるが、唐川は決してとっつきやすそうな、とか優しそうな、とか、そういうイメージを子どもに与えるタイプではない。どちらかと言えば男前の部類ではあるが、映画なら暴走族あがりのならず者、といったあたりがはまり役になりそうなタイプだ。少年の顔が緊張にこわばるのも無理はない。
「で、これからやることはわかってるんだよね?」
 少年はまた黙ってうなずいた。不良少年か、その入り口に立ったくらいの、やんちゃだとか、あまり頭の良くない中学生を犯るぶんには、唐川は特に抵抗はない。抵抗はないというか、ちょっと暴力的にそれをやるのが、最高の楽しみの一つだ。彼には法律は注意深くくぐり抜ける鉄条網のようなものであって、罪の意識や、道徳的な行動の抑制要因にはならない。
 しかしながら今目に前にいるような幼い(ように見える)少年を抱いたことは今のところない。この少年に今までの中学生らにしたのと同じことをするとなると、若干の抵抗を感じないでもない。それは罪悪感とは呼べないものではあったが、いわば、禁断の果実に手を伸ばすような心持ちというものだろうか。……いいだろう。せっかくの新しい体験だ。積極的に流れに身を任せようじゃないか。
「これからタクシーを拾う。そしてビジネスホテルに入る。そこでは俺らは親子のふりをする。ちょっと年齢が近すぎるかもしれないが、まあ気にすることはない。しばらくの間、君は唐川友也というわけけだ。オーケー?」
「はい」
 友也ははじめて声に出して返事をした。

 一度タクシーに乗ってしまえば、帰りの道順はわからなくなる。友也は多少の小遣いは持っていたので、どこからであろうと最寄りの鉄道駅までタクシーを拾えば帰れるわけではあるが、この車中に二人並んで乗った瞬間から、行動はこの、初めて会う唐川という男に支配されたわけだ。

 唐川は痩せて背の高い、三十前後の男で、暑い季節にシャツのボタンを一番上まで留めて、赤いジャケットを着込んでいた。友也は清潔な白い半袖のポロシャツに、紺の半ズボン。白いソックスに、ちょっとくたびれているが汚れていない運動靴。タクシー車内のエアコンは冷えすぎるほどだった。

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