Miss Terry のノート
Miss Terry のノート

発行者:JUKU KIDS
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:ホラー・オカルト

公開開始日:2011/09/11
最終更新日:2011/09/29 12:46

マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
Miss Terry のノート 第11章 第三話 顔【序】
 夕方のラッシュ時、混雑した駅のホーム。その日は小雨交じりなので、傘を持っている待ち客が目立った。恭子はいつもの通勤に使う大きな黒色のバッグを左肩に掛け、前から二番目の位置で電車を待っていた。その位置もほぼ毎日同じだった。その日も見渡す限り、人、人、人…。周りの人たちも知っているような顔ばかりだが、勿論、口もきいたことはなかった。
 待ち客のほとんどが自分の携帯電話をいじっている。便利な機器だ。周りの人と目を合わせずに済むし、会話をしなくても済む。この小さい画面だけ見つめていれば、無駄なコミュニケーションの必要もない。しかし、その時の恭子は携帯の画面を直視するのではなく、上着のポケットに入れたまま、携帯から流れてくる音楽を楽しんでいた。それをイヤホンで聴きながら、周りの風景を眺めた。目の前には、見慣れたごく普通の街並みを背に、人が山ほどいる駅のホームがあるだけだ。恭子は数秒ごとに腕時計を見た。別に急いでいたわけではないが、ホームで電車を待つときの習慣というか癖のようなものだ。車両が来るまで、まだ五分以上あった。別に大した時間ではないが、ホームで待つだけだと長く感じるものだ。
24
最初 前へ 21222324252627 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ