Miss Terry のノート
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発行者:JUKU KIDS
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ジャンル:ホラー・オカルト

公開開始日:2011/09/11
最終更新日:2011/09/29 12:46

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Miss Terry のノート 第8章 第二話 あるトイレでの出来事④
「見ていたのですね。」今、お互いの目の高さは同じような位置にある。ほぼ真正面にお互いの顔がある。
 城島はその質問に対して、首を横に振りながら、「み、見ていません。な、何も…。」と、やっとの思いで答えた。
「では、なぜそんなに慌てているんですか?私はそんなに恐ろしい顔をしていますか?」
「い、いえ、そ、そんなことは、あ、ありません。ただ…」
「ただ?」男はあくまでも穏やかだった。本当に襲ってくることはなさそうだが、まだ話しの核心には至っていない。いつ本性を現わすのか…。城島は携帯のカメラが録画モードになっていることを思い出した。気づかれぬようにそっと手を動かし、カメラを男の方へ向けておいた。
「やっぱり…」男は何かが閃いたように城島に尋ねた。
「やっぱり、私がここに入るのを見たのですね?そして、その前に男性が一人ここに入るのも見ていたのでしょ?」
 城島は、堪忍したように口を開けたまま黙って首を縦に振った。
 男はフフッと笑みを浮かべ、立ち上がった。
(もうダメだ。)城島は生きることに執着することを諦めた。この状況で立ち向かえるわけはない。一体どこの異空間に連れてかれるのか?痛みはあるのか?もう、顔が涙でくしゃくしゃになっていることも気にならない。万事休す。
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