月に焦がれて
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発行者:癒水月
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/10
最終更新日:2011/09/10 17:18

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月に焦がれて 第3章 ep3
少女の瞳は、月の様だった。
最初のうちは静かに彼女の姿を眺めているだけだった。
だから、会話することといったら、毎晩東尋坊に行った時に挨拶を交わす他は、たまに僕が質問するくらいだった。
お互いの名前も知らない。
そんな、知り合いのような知り合いじゃないような微妙な関係が半月程過ぎた。
なぜ、少年は彼女のある『法則』に気づいた。
儚げに立っていたその少女は、夜空を見上げて暫く何かを呟くと、必ずその後に身体を屈めて海を見下ろしていたのだ。
その法則に気づいた少年は、咄嗟に、彼女のその行動が気になって声を掛けた。
「何を……呟いているの?」
「……」
「どうして、海を見下ろしているの?」
「……」
少年が聞きたいことは全て無言で返されてしまっていた。
聞きたいのは山々なのだが、此処で無理やり聞いてしまったところで何の得もないのでとり合えず他の質問をすることにした。
「君の名前は、何ていうの?」
「あなたの方から、名乗ってくれないの?」
「僕の名前は、水壬 一(みずみ はじめ)って言うんだ。これで……教えてくれるよね?」
「水野 真希……」
「……」
やっぱり、無言になってしまった。
「あなた……」
突然、彼女のほうから話しかけてきた。
僕は思わず、辺りを見回してしまった。
が、案の定誰もいない。
彼女は、紛れもなく『僕』に話しかけてきているのだ。
そのことに驚いて、返すことも出来ずただただ呆然としているのを横目で見、彼女は再び口を開けた。
「あなた、どうしてこんな場所にいるの? もう2週間以上も此処にいる。」
ん……その疑問は、むしろ僕があなたに思っていたことなんだけど。
「それを言ったらあなたも……でしょ?」
「僕は、君が目的で来た訳じゃないからね。君が此処で何をしようと、僕には関係がないことだし。」
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