好きになったヒト
好きになったヒト
成人向完結
発行者:iroha
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

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好きになったヒト 第10章 未練4
それからも何度がマナトの後を尾けた。
いつも決まって同じ、俺の会社から公園へ。
俺達が二人でよく行った公園。

あいつはまだ俺を。
俺もまだあいつを。
なのに、どうして俺は動けない・・・。
離れている期間が長すぎたのか。


日曜日、マナトの出ていたライブハウスに向かった。
午前中だったのでまだライブハウスは閉まっていた。
今日のライブの予定にマナトの名前はない。
付属のCDショップを覗くとマナトのCDが積まれていた。
自主制作判だ。
CD出したんだ。
それを持ってレジへ行くと“来週の土曜日出る予定だから、よかったら見に来なよ”と教えてくれる。

家へ戻ってマナトのCDを聞いて赤面した。
これは、俺に向けて歌われてる。
一度途中で止めようとしたくらいだ。
マナトの告白を聞いているようだ。
俺達は面と向かって好きだとかそういうことを口にしたことがない。お互いそういうタイプではないのだろう。それでも充分気持ちは通じていた。
そんな俺達なのに、マナトからのこのラブソング。
自惚れすぎだろうか。

『もうそろそろ応えたら
 もう聴き飽きたころでしょう
 
 それはもうあなたの一部となったでしょう。』

『キミと一緒に歩こう
 別々のものを見ててもいいさ

 大丈夫 同じ景色だって見える
 ほら、二人で同じ方向をむけばいい』


マナトの歌が俺の頭の中をぐるぐる回って、どんどん体に浸透していく。
あいつが歌うのを初めて聞いた時、思った以上の歌唱力に体が震えた。
以来俺は歌手としてのあいつの一ファンと言っても過言ではない。
携帯用のMP3に入れて以来会社の行き帰りに聞き続けた。

マナトは急に姿を見せなくなった。きっと忙しいのだろう。
ライブはこっそりと聴きに行った。今度はアツキさんに会わない様に気をつけた。
マナトの後を追うのは気分が良かった。
なんだか昔に戻ったような高揚感。胸の高鳴り、脈ありの片思い。
俺はそんな状況を楽しんでいた。
単に、まだ動くだけの勇気がなかっただけだけれど。
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