好きになったヒト
好きになったヒト
成人向完結
発行者:iroha
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
好きになったヒト 第10章 未練4
その日俺は残業必至で、夜の為の食料を買いに夕方近くのコンビニに出掛けた。
社へ戻る途中、俺は思わず立ち止った。

会社の前の横断歩道の前に立ってる見覚えのある姿。
俺の視線はそこに釘付けになる。
一時、目が回るような錯覚覚えて、聴覚障害者用の横断歩道の誘導音が歪んで聞こえる。
俺の視線の先にいる彼は横断歩道の信号は青になったのに、そこから動こうとせずにずっと向かいのビルを眺めている。
横断歩道の前に居ながら、信号が変わっても渡ろうとしない。本来不自然なその行動も不自然ではない。見事に雑踏に紛れている。行き交う人はまるで彼が見えないかのように自然に避けて通り過ぎて行く。
きっと、俺でなければそこに立つマナトには気が付かなかっただろう。

どうして・・・。
往来で突っ立っていた俺に誰かがぶつかる。
俺は我に返って、来た道を戻る。
ビルの裏口へ向かった。
確か、さっき通ったときにはいなかった。俺がコンビニに行ってる間に来たんだろうか。
あんなとこで、何をしてるんだ?

調査。
そうか、確かもうタカヤとの仕事が始まってる頃だ。
何かの調査で・・・。

そんな筈ない。
あいつのことだ。もし、仮に調査で来たにしても、俺がここに居ることは知ってるに決まってる。

さっきまで、どうやって仕事を終わらそうか考えを巡らせていた頭の中は、雑踏に佇むマナトの事しかなくなった。

俺の会社は2階から4階を使ってる。
俺の部署は3階。退社時刻を過ぎて、もうフロアにはほとんど人がいない。
窓には普段ブラインドが降りてる。
マナトのことが気になって窓の外を覗くが、ブラインドが邪魔で見えない。
ブラインドを手で押さえて隙間を作って横断歩道を見る。
まだいる。

72
最初 前へ 69707172737475 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ